検索窓
今日:37 hit、昨日:29 hit、合計:269,825 hit

27. 呼び方 ページ29

硝子ちゃんが少しずつ反転術式で治してくれているので、少しマシだかそれでも身体のダルさが取れなかった。

込み上げてくる気持ち悪さが、不快そのものだ。









五条「俺ん家なんかあったか。」







いつもの俺様顔でそう言う五条。

なんだろういつも以上に腹が立つ。
そもそもなんで私だけ気持ち悪いんだ。
気持ち悪さの反面、疑問が湧いてきた。

他二人の影響の無さが気になった。









貴「私の術式と相性最悪かよ…なんだあの家…」

五条「術式が拒絶反応を起こしたのか…」

家入「同族嫌悪って事だな」







しばらく硝子ちゃんと休んでいると症状は自然と収まっていた。

その間に暇をしてしまった二人は神社にあった屋台を回っていた。五条は見た事のない屋台に大騒ぎで隅から隅まで回っているのが、道行く女子の反応から分かった。

五条がいるのは最も女子の歓声の大きい所だろう。










家入「A、もう平気か?」

貴「うん、ありがと硝子ちゃん。」

家入「…もうそろそろ、硝子って呼んでよ。」








その言葉に下を向いていた私は目を丸くした。

心臓がうるさい。触れられてる場所が熱い。
彼女の手の温度がとても怖く感じた。

図星だったんだ、私は彼女を呼べないから。










家入「わざと距離置いてるだろ。五条は良いとして、夏油も君呼びなのは確信犯だ。」

貴「ただ昔からの癖で…








そう、癖なんだきっと。

そう言い聞かせて生きてきた。私は誰にも言えなかった。未来を知ってるって事はある種、私にとっては縛りになってる。これを誰かに話せば私の術式の"質"が下がる。

私の"掣肘呪術(せいちゅつじゅじゅつ)"が開花したのは、五条の言った通り私が前世を思い出した時に髪は白くなった。これは多分そういう縛りなんだ。先を言えば私の"術式"は失われる可能性だってある。











家入「嘘だ、私はなんで距離置かれてるか分かんないけど、Aとは長い付き合いになりそうだから名前呼びの方が嬉しいんだけど。」









ごめんね、私は言えないんだ。










貴「少しだけ、未来を知ってるんだ。だから、私が消えてもいいように距離があって欲しかった。でもダメだね。一緒にいたら情がわく。」

家入「ハハッ、奇遇だな。私もだ。」







私たちは笑っていた。

雨なんて降ってないのに、頬を水が伝っていた。
私がみんなを救ってたらその後はどうなるんだ。

その後のことを考えると、途端に嬉しくなった。

28. 二年生・競馬→←26. 五条家



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (345 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
788人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑 , 転生
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 面白いさん» ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないのですがこれからも頑張ります! (8月16日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
面白い - 好きです!楽しませてもらいました!更新待ってます🎶 (8月2日 16時) (レス) @page32 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ぬえさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからも頑張ります! (7月16日 22時) (レス) id: 21a7d8e238 (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - こういう感じの関係の本当に好きです!!闇堕ち阻止頑張ってほしい、更新待ってます!! (7月13日 15時) (レス) id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年5月28日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。