25. お正月 ページ27
大晦日、夏油くんの部屋のコタツに入って年越しそばを食べながら紅白歌合戦を見ていた。
硝子ちゃんと夏油くんは酒を飲んでいて。
五条は寂しそうにオレンジジュースを飲んでた。
家入「Aも飲む?」
貴「未成年飲酒はしない主義なので。」
夏油「変なとこで真面目だよね。」
そう言いながら無言で餅を食べる。
五条はみかん食べてた。意外と器用に剥く。
夏油くんは結構オーソドックスな剥き方。
硝子ちゃんは、…うん、ワイルドで素敵。
私は一人でみんなを観察してた。
「ではまた来年!!」
テレビのそんな声が聞こえたと思ったら急に手を掴まれて立たされ、持ち上げられていつの間にかジャンプしてた。
ちょっと急すぎて状況が掴めてない。
五条「よっし、年越しジャンプ成功!あけおめ!」
夏油「あけましておめでとう。」
家入「あけおめー」
貴「あけおめ」
急に手を掴まれた、その感覚がまだ残ってる。
気づかないよな、こんな些細な青春。
みんなで手を繋いで年越しジャンプとか。
みんなで笑ってる中に、私がいた。
貴「どうする、初詣行く?」
夏油「そうだね、実家帰るのは面倒だし。」
家入「このまま行くか?」
私と硝子ちゃんと夏油君がそう言ってる時、五条は凄く不思議そうな顔でこちらを見てきた。何か言いたげなので「どうしたの、悟?」と夏油君が聞くとこれまた目をまん丸にさせて言ってきた。
五条「お前ら袴持ってねぇの?」
その発言に私達もさすがに驚いた。
いや、さすが五条家次期当主様は違う。
私たち一般庶民が持っているわけないだろう。
しかも五条が着るような高価な袴は。
夏油「私もAちゃんも持ってない。」
家入「同じく。」
五条「はぁ、お前ら初詣する気あんのかよ。待ってろ。」
そう言うと五条はどこか電話していた。
何となく、嫌な予感がした。
まさか私たちの袴を用意する気なのかと。
その嫌な予感が外れる事はなかった。
五条「お前らの分持ってこさせるから、行くぞ。」
夏油「何処に?」
五条「何処って、俺ん家だけど。」
その爆弾発言に私達もさすがに困惑した。
いつもは冷静な硝子ちゃんが目を丸くするレベルだ。私もさすがに五条家には行きたくないのでどうにかしようとしたのだが、「俺友達家に呼んだことないんだよな。」なんて楽しそうな目をする五条に私たちは何も言えなくなった。
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楸(プロフ) - 面白いさん» ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないのですがこれからも頑張ります! (8月16日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
面白い - 好きです!楽しませてもらいました!更新待ってます🎶 (8月2日 16時) (レス) @page32 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - ぬえさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからも頑張ります! (7月16日 22時) (レス) id: 21a7d8e238 (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - こういう感じの関係の本当に好きです!!闇堕ち阻止頑張ってほしい、更新待ってます!! (7月13日 15時) (レス) id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楸 | 作成日時:2023年5月28日 0時