21. デリカシーって大事 ページ23
私がそう言って胸を抑えていると痛み出した。
経験した事の無い激痛に悶える私。
夏油君が背中を摩ってくれているのがわかる。
優男すぎるだろ結婚してくれぇ。
貴「やべぇ産まれるぅ…」
産んだ事ないけど、産まれるぅ!!
五条「ヒッヒッフー」
夏油「ヒッヒッフー」
家入「ヒッヒッフー」
貴「冗談じゃねぇから!!」
ワーワー騒いでるみんなを横目に私の痛みは増していった。痛みが最高潮になった時私の胸から黒い渦が飛び出してきた。
黒い渦の正体、私の使役する呪霊だ。
『出でくるのも、一苦労だのぉ。』
そう言ったのは私の取り込んだ大嶽丸。
身構える五条と夏油くん。
直ぐに私の傍に駆け寄る硝子ちゃん。
大嶽丸はゆっくり私の方へと歩いてきた。
『弱いのぉ、人間は。』
貴「うっせぇ、出てくんならもうちょっとどうにかしろよ私しんどいんだよ死ぬってまじでどうにかしろよ……」
『それでも弓削の人間か。』
そう言って私の頭を撫でる大嶽丸。
不思議と身体が楽になった。
恐らく反転術式だったのだろう。
それを不思議そうに見ているさしす組。
五条「A、ソイツお前の?」
夏油「"使役"、成功したんだね。」
家入「何ソレ、Aそんなことまで出来んの?」
『弓削の人間だ、それくらい出来て当然だろう。』
いや、なんでお前が答えてんだよと思いながらも私は少しマシになった胸の痛みに未だ苦しんでいた。裂けたわけではないのに、この激痛。原因は直ぐにわかった。
"呪力"が半端なく削られたからだ。
貴「何笑ってんだ、お前。」
私が大嶽丸の方を見た時、大嶽丸は夏油くんを見ながら"笑っていた"。何がおかしいのか分からないが、そう思ったのは私だけではなかったようで皆が顔が冷めていた。
『お前のお気に入りはコイツだろ?これは綺麗すぎるな、呪術師にしてはあまりにも小綺麗な魂だ。お前は術師に…』
貴「いい加減にしろ、祓うぞ。」
自分でもあまり感じたことの無い感覚。
澄んだ呪力が私を包んでいた。
自然と湧いた怒りだ。
私の大切な夏油くんを穢すな下衆。
彼が選んだ道を否定する結果にしてはいけない。
貴「帰れ、これは命令だ。」
『じゃあな、弓削。』
私の胸にあった黒い穴は自然と塞がった。
妙な空気が私たちを包み込んでいた。
その後、私は一言ごめんと言って医務室を出た。
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楸(プロフ) - 面白いさん» ありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないのですがこれからも頑張ります! (8月16日 0時) (レス) id: 94f21122e4 (このIDを非表示/違反報告)
面白い - 好きです!楽しませてもらいました!更新待ってます🎶 (8月2日 16時) (レス) @page32 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
楸(プロフ) - ぬえさん» ありがとうございます!そう言っていただけるととても嬉しいです!これからも頑張ります! (7月16日 22時) (レス) id: 21a7d8e238 (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - こういう感じの関係の本当に好きです!!闇堕ち阻止頑張ってほしい、更新待ってます!! (7月13日 15時) (レス) id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楸 | 作成日時:2023年5月28日 0時