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「あ、そう云えば、殺せんせーが死んだ時の話してなかったね」
皆が、殺せんせーを殺した時の事を。
「私は横浜に居たよ」
「何で来てくれなかったの?私達が来て欲しいってお願いしたの、烏間先生から聞いたでしょう?」
「逆に訊きたいね、メグ。何で行かなきゃいけなかったの?行った処で、殺せんせーは死んでた」
「そんな、」
「っていうのがあの時の私の気持ち。今と成っては少し後悔してるよ。何で、あの時行かなかったんだろうってね。……私も莫迦な餓鬼だったんだよ。プライドだとか云って意地張ってた」
なんて愚かで、自己中な子供頃の私。
卒業式の後、どうしたんだっけ。…………あー、横浜に帰ったんだ。其れから仕事ばっかしてたな。
「其れからの日々は仕事に費やした。はい、あんた等が聴きたいと思ってた事は全部話したよ」
「Aちゃん、中原さんとの事も話して!」
「確かに聞きたいねぇ〜。子供居るみたいだし?」
E組の女性陣はどうやら恋バナを聞きたいようで。関係無いと思う反面、話そうかななんて事も思う。
高校に行かなかった私は、皆より「青春」をしていないのかもしれない。だからなのかもしれない。
「云ったじゃん、16の時に結婚したって」
「詳しく!」
「15の時に
「マジで!?いつ!?」
「中也の誕生日」
「何て言われたの」だとか「どういうシチュエーションで」だとか訊く辺り、本当に下世話で嗤ってしまう。
「家で誕生日
「内容言わないと面白くないって!」
「面白さなんて求めてないわ!」
「『A、俺と結婚してくれないか。俺の生涯を掛けてお前を愛し、倖せにすると誓う』ってだけだよ」
その言葉を云ったのは、中也本人だった。
周りからは興奮した様な歓声がした。
「結婚指輪渡したら、A泣いちまってよ」
「そういうのは云わなくていいの!!」
「之からも一緒に居られると思ったら嬉しくて、ってな」
「中也だって半泣きだったくせに!ていうか、お父さんに報告しに行く時とか、ビビりまくってたでしょ!」
「ばっ!ビビってたんじゃなくて、緊張してたんだよ!」
皆も嗤い、私も嗤う。
此処でこんな風に嗤えたのは、本当に久し振りだ。
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杏 - ずっと前から拝見させていただいてます。これ以上の裏切り小説はないと思います。本当に、こんなに素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございました。 (2018年10月2日 23時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ゆうさん» リクエストを書くのが遅くてすみません。他の方に頂いたリクエストも執筆中でして、決してそういう訳ではないのでご安心下さい。出来るだけ早く書けるように努力します (2018年9月28日 2時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 前にゆったリクエスト無理でしたら書かなくていいですよ。 (2018年9月5日 22時) (レス) id: 07f01030e1 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - minoriz1222さん» コメントありがとうございます!!こんな長い話を読んで頂けて、嬉しい限りです。未だスランプ状態で、読者の皆様には大変申し訳ないです……。ですが皆様を待たせるわけにはいきませんので、これからも頑張ります。ありがとうございます! (2018年6月23日 4時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
minoriz1222(プロフ) - この話、1から全て見させて頂きました!少し悲しくなり、涙がポタリと落ちたりもしてしまいましたし、つい、楽しくてクスリと笑ってしまうことも度々ありました。この作品は面白くて大好きです。スランプ大丈夫ですか?更新は無理をせず、頑張って下さい応援しています (2018年5月19日 23時) (レス) id: 5a14873d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2017年7月27日 13時