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人生最後の卒業式は思ったよりも普通だった。憶えているけれど、其処迄鮮明に憶えてない。唯、ポートマフィアの人たちに囲まれていた。
「皆も知ってると思うけど、卒業式は出席した。学秀が来いって五月蝿かったし」
「がっくん?」
「がっくん?」
子供二人からの問いに、そうだよ、と肯定する。
二人には学秀に遭わせた事も有るし、今だって関係は続いている。
「あの時はポートマフィアに囲まれてたから、大して動けなかったよ。真面に話したのも学秀とか皆ぐらい」
「Aが何為出来すか判なかったからな」
「余計な心配してたら禿げるよ」
五月蝿ェよ!!、と云われるがスルー。
私は亦卒業式での話をし出す。
「殺せんせーからの卒業証書とかアルバムとかどうしたの……?」
怖ず怖ずと問う神崎さん。目が合えば少しビクつく。
ビビらなくていいのに、なんて思うけど口に出せずに居た。
「あーあれ?知らない。紛失してるか棄てた」
「おまっ!タコが作ったやつ失くすとか何なんだよ!!」
「すぐ怒鳴るなんて変わってないねェ、寺坂。第一、私は欲しいなんて云ってないでしょ?彼方が勝手に作ったんだから」
「A、嘘つくんじゃねェよ」
「何が?中也」
「失くしてなんかねェだろ。お前の部屋のクローゼットの隠し棚に大事にしまってるじゃねェか」
「何で知ってるの!?」
ハッと我に返るが時既に遅し。皆は此方を見ていた。
「あーもう、そうだよ。家に有る」
「嘘なんてつかなくていいのに」
「ゆきちゃん五月蝿、あ……神崎さん」
「昔みたいに呼んで?私だけじゃなくて、皆の事も。それで、嘘なんてつかないで」
「要望が多い」
「ママ嬉しいの?」
「何云ってんの虹架」
「だって、虹架の事ぎゅーしてるから。嬉しい時、ママはぎゅーするってパパ云ってた」
虹架の言葉に中也を睨めば、即座に逸らされた。
「私の事知り過ぎて怖い」
「愛故だ。でも、実際そうだろ?お前だって、此奴らと仲悪い儘じゃ厭だったんだろ?」
「別に仲良くしたい訳じゃない。私は唯、誤解された儘が厭なだけ。勘違いしないで」
第一、仲良く出来るわけないじゃないか。私は、此奴らに裏切られたんだ。そう易々と、赦せたりは出来ない。
赦せる程、私の心は広くない。
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杏 - ずっと前から拝見させていただいてます。これ以上の裏切り小説はないと思います。本当に、こんなに素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございました。 (2018年10月2日 23時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ゆうさん» リクエストを書くのが遅くてすみません。他の方に頂いたリクエストも執筆中でして、決してそういう訳ではないのでご安心下さい。出来るだけ早く書けるように努力します (2018年9月28日 2時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 前にゆったリクエスト無理でしたら書かなくていいですよ。 (2018年9月5日 22時) (レス) id: 07f01030e1 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - minoriz1222さん» コメントありがとうございます!!こんな長い話を読んで頂けて、嬉しい限りです。未だスランプ状態で、読者の皆様には大変申し訳ないです……。ですが皆様を待たせるわけにはいきませんので、これからも頑張ります。ありがとうございます! (2018年6月23日 4時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
minoriz1222(プロフ) - この話、1から全て見させて頂きました!少し悲しくなり、涙がポタリと落ちたりもしてしまいましたし、つい、楽しくてクスリと笑ってしまうことも度々ありました。この作品は面白くて大好きです。スランプ大丈夫ですか?更新は無理をせず、頑張って下さい応援しています (2018年5月19日 23時) (レス) id: 5a14873d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2017年7月27日 13時