。。番外編。。 複数名様リクエスト ページ27
「ちょっと優雨!はやくしてよね!」
「落ち着けよお転婆娘」
急かす虹架に、足取りが遅い優雨。
何故虹架が急いでいるかというと――――
「逃げられたら如何すんの!ママ達に怒られるじゃん!」
「逃げられたくないなら静かにしろって。第一、作戦が失敗する筈無い。有ったとしても、俺か虹架、若しくは両方がヘマしたら」
「無いね」
「だろ」
じゃあ行くぞ、とその声で二人は目の前に建つ工場に足を踏み入れた。
そして間も無くして出て来た二人は血塗れだった。己達のでは無く、相手の返り血。
十代半ばにして、戦果を挙げ、組織に貢献する。其の姿は、父である中也や、母であるAと同じであった。
矢張り、親子というものは似るのだろう。
「あ〜はやく帰ろ」
「暴れ過ぎ。お蔭で血塗れだ」
「まぁまぁ、一寸やり過ぎだだけなんだから大目に――――」
其の時、突如現れた気配に双子は戦闘態勢をとった。
「え、優雨君に虹架ちゃん!?」
現れたのは、武装探偵社員の中島敦。
だが、敦だけではなかった。他にも、探偵社の主力戦闘員が共に居た。
「探偵社が何で此処に」
「お前達と同じだ」
国木田の言葉の意味を理解した双子は、一足遅かったねと嗤ってみせる。
探偵社は軍警からの依頼で、双子がつい先程始末した組織の奴等を追っていたのだ。そして漸と追い詰めたと思えばポートマフィアに先を越されて仕舞った、という訳だ。
「にしても、二人共血塗れだけど大丈夫?」
「敦、敵の心配をするとは、」
「返り血だから大丈夫」
「俺の言葉を遮るな優雨!」
「あ、探偵社寄っていい?此処からだと、本部も家も遠いんだよね」
任務後に、況してや敵対組織の者が居るにも関わらず、呑気な虹架。それに振り回される双子の兄、優雨。それと探偵社。
「お願い!昼間だし、こんな姿でうろちょろしてたら軍警に捕まっちゃう!」
「其れ丈じゃね――――いって!!」
脛を蹴られ、強制的に黙らされた優雨。
探偵社は不憫に思い乍らも、虹架が可愛く「お願い」と云い続ける故、折れるしか無かった。
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杏 - ずっと前から拝見させていただいてます。これ以上の裏切り小説はないと思います。本当に、こんなに素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございました。 (2018年10月2日 23時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ゆうさん» リクエストを書くのが遅くてすみません。他の方に頂いたリクエストも執筆中でして、決してそういう訳ではないのでご安心下さい。出来るだけ早く書けるように努力します (2018年9月28日 2時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 前にゆったリクエスト無理でしたら書かなくていいですよ。 (2018年9月5日 22時) (レス) id: 07f01030e1 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - minoriz1222さん» コメントありがとうございます!!こんな長い話を読んで頂けて、嬉しい限りです。未だスランプ状態で、読者の皆様には大変申し訳ないです……。ですが皆様を待たせるわけにはいきませんので、これからも頑張ります。ありがとうございます! (2018年6月23日 4時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
minoriz1222(プロフ) - この話、1から全て見させて頂きました!少し悲しくなり、涙がポタリと落ちたりもしてしまいましたし、つい、楽しくてクスリと笑ってしまうことも度々ありました。この作品は面白くて大好きです。スランプ大丈夫ですか?更新は無理をせず、頑張って下さい応援しています (2018年5月19日 23時) (レス) id: 5a14873d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2017年7月27日 13時