【暗殺教室×文豪ストレイドッグス】On the day when it rains 。Anotherstory。 【裏切り】

。。２。 ページ24

中原幹部の報告に依ると、水嶋幹部補佐は自 殺を図ったらしい。一命は取り留めたものの、意識不明の重体だ。


其の事実に、私は困惑するしかなかった。
其れ程迄に水嶋幹部補佐は、追い詰められていたのか？




水嶋幹部補佐がポートマフィア傘下の病院に運ばれてからと云うもの、私は時間が有れば彼女の元へ通った。
私の様に通うと思っていた中原幹部は、一度も訪れなかった。何故なのか。罪悪感からか、後悔からか。私には判らない。








「水嶋幹部補佐、来ましたよ」






寝台(ベッド)で眠る彼女は美しく、そして、儚かった。純白のシーツが紺の髪に映え、何処か物寂しい。


水嶋幹部補佐と関わりの深い人は、一度は必ず来る。なのに、中原幹部は矢張り来ていない。







「中原幹部が来ないと、水嶋幹部補佐も寂しいですよね…？」






私が愛する此の人には、倖せに成って欲しい。中原幹部に、倖せにしてもらって欲しい。







「はやく目を覚まして下さいよっ…！」






誰しもが、貴女の目覚めを望んでる。



然し其の日も彼女が目覚める事は無く、私は重りのようなものを心に感じ乍ら帰宅した。







「水嶋幹部補佐〜！今日は蜜柑を持ってきたんですっ！」






病室の扉を開け、眠る彼女に話し掛ける。時間が経ち、何とかあの出来事を受け止められるようになった。



何時もと同じ動作、何時もと同じ情景、そう思っていた。






「何だか久し振りですね、安藤さん」





水嶋幹部補佐の姿を見る迄は＿＿＿＿＿。


私は持っていた蜜柑を落としてしまった。辺りには、蜜柑独特の香りが充満する。








「み、水嶋幹部補佐、何で…」

「目が覚めました」

「何時っ、」

「つい先程。目が覚めたら安藤さんが来ました、タイミングバッチリですね」






蜜柑を落とすだけでは留まらず、私は床にへたりこんだ。


目の前で話している、声が聞こえる、微笑んでいる。
其れが如何に嬉しい事か。

終いには涙を流してしまい、水嶋幹部補佐は困り乍らも私の頭を撫でた。







「ご迷惑をお掛けしてご免なさい。其れと有り難う、真凛さん」






彼女の手の熱は、本物だった。



．

mumu様から、「水嶋ちゃんが見つかった後の安藤さん」でした！



個人的に書きたいところも便乗して書かせて頂きました



リクエスト、有難う御座いました!!┏○┓
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