。。番外編。。 凛様リクエスト ページ21
マリッジブルー、という言葉を聞いた事が有る人が殆どだろう。
マリッジブルーとは、結婚を前にして精神状態が鬱になるとか、そんな感じのものだ。
結婚式当日なのだが、私は其れに陥っている。
結婚式の準備から。
「A、迚も綺麗じゃ。惚れ惚れするのう」
「ほんとほんと!ものすごーっく綺麗!」
「…有難う御座います」
無理して嗤う私に気付いたのだろう、姐さんは顔を曇らせる。更には、不安かえ?、と少し震えた声で訊ねた。
「…………正直に云うと、そう、…です。でも、判らないんです。何が不安なのか、何故不安なのか」
愛しくて愛しくて仕方無い彼の人との結婚は、嬉しいものだと、倖せを感じるものだと思っていた。否、今も思っている。
だからこそ、判らないのだ。
「…もう時間じゃ、往くぞ」
「はい…」
「A。鷗外殿の前では、其のような顔を見せるでない。慌てるのが目に見えておる」
姐さんとエリスちゃんに連れられて、私はお父さんの元へと行った。
私のウェディングドレス姿を見たお父さんは、柔らかな笑みを浮かべて、綺麗だよ、と。
有り難う、と返し、極力不安を悟られないようにしていた。
「不安に思うのは仕方無いさ。でも大丈夫、何か有ったら私の処へ来ればいい」
だが、お父さんは気付いた。そして、私に優しい言葉を掛ける。
「有り難うっ、お父さん」
「…泣いてはいけないよ。折角綺麗に化粧して貰ったんだから。それに……Aちゃんが泣いたら、私が泣かせたと思われて、紅葉君辺りに斬られてしまう」
「ふふっ、何其れ〜」
「……よし、行こうか」
お父さんがそう云った直後、「新婦の入場です」とアナウンスが入った。
私はお父さんの腕に自分の腕を絡め、バージンロードを歩く。
後ろにはベールガールとして、エリスちゃんが。
どんどん近付く彼の人の姿に、異様に胸が鳴る。
何時もとは違う、白のタキシード。其れは彼を美しく魅せていた。
「A」
「!」
気付けば、彼は直ぐ其処に居た。
嗚呼、亦胸が鳴る。
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杏 - ずっと前から拝見させていただいてます。これ以上の裏切り小説はないと思います。本当に、こんなに素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございました。 (2018年10月2日 23時) (レス) id: 636a061378 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ゆうさん» リクエストを書くのが遅くてすみません。他の方に頂いたリクエストも執筆中でして、決してそういう訳ではないのでご安心下さい。出来るだけ早く書けるように努力します (2018年9月28日 2時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 前にゆったリクエスト無理でしたら書かなくていいですよ。 (2018年9月5日 22時) (レス) id: 07f01030e1 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - minoriz1222さん» コメントありがとうございます!!こんな長い話を読んで頂けて、嬉しい限りです。未だスランプ状態で、読者の皆様には大変申し訳ないです……。ですが皆様を待たせるわけにはいきませんので、これからも頑張ります。ありがとうございます! (2018年6月23日 4時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
minoriz1222(プロフ) - この話、1から全て見させて頂きました!少し悲しくなり、涙がポタリと落ちたりもしてしまいましたし、つい、楽しくてクスリと笑ってしまうことも度々ありました。この作品は面白くて大好きです。スランプ大丈夫ですか?更新は無理をせず、頑張って下さい応援しています (2018年5月19日 23時) (レス) id: 5a14873d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2017年7月27日 13時