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雨が290粒。 ページ45

何が大変だったの、と困惑気味に尋ねて来た。



そんなに聞きたいの?聞いたらショックを受けるかもしれないのに。でも善いよ、教えてあげる。







「あの後ね、中也さんに無理矢理ヤられたの。」


「は。」


「あぁ、別に気にしてないよ?其れが初めてじゃなかったから。今では何回ヤッたか善く覚えてないや。」


「ちょっと待って。兄妹の域超え過ぎじゃん。さすがにそういうのはオカシイでしょ。」


「可笑しい?如何して?愛してる人と躰を重ねただけだよ?それの何が悪いの?」






いやでもさ、等と否定する赤羽君。



これ以上話していても時間の無駄だ。もう行こう。中也さんも待たせて居るのだし。







「私もう帰るね。これ以上君と話してても時間の無駄だから。」


「待って。」


「厭。中也さん待たせてるの。それに、之から彼の人と出掛けるから其の準備しないとだし。」







だから、君に構ってる時間は無いの、そう云い乍ら教室の扉へと向かった。



だが赤羽君も付いて来て、私を引き止めようとする。







「赤羽君、執拗い。いい加減にしないと私も怒るよ?」


「でも、」


「おい、名前。」







赤羽君の言葉を遮ったのは、中也さんだった。私が遅いから来たのだろう。




彼に駆け寄り、中也さん!、と抱き着いた。







「遅ェから来た。」


「御免なさい、赤羽君が中々解放してくれなくて。」


「だろうな。おい赤羽、今後、必要最低限名前と関わンな。」


「中原君にそんな事言われる筋合い無い。」


「有る。俺は名前の恋人で兄貴だ。後、名前に何か(・・)されたら困るからな。」


「っ。」






顔を歪める赤羽君。滑稽という言葉がぴったりだ。



そういう事だ、と中也さんは私の肩を抱き乍ら教室から出て行く。




帰る途中、私は終始笑顔だった。







「今日は善く嗤うな。」


「面白過ぎて。」







あ、そうだ。帰り学秀の処行っても善いですか?、と尋ねると中也さんは顔を顰めた。其の顔の侭、何でだよ、と。







「チョコ渡そうと思って。」


「彼奴にも渡すのかよ。」


「学秀には御世話に成りましたから。それに……」







屹度今年が最後だから、其の言葉は伝えなかった。



黙る私に、善いぞ、と彼は頭を撫でた。触手に依る頭痛がした。だがそれを抑え、有難う御座います!、と云った。

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バンビ(プロフ) - ぬうさん» いえいえ! (2017年4月5日 17時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - ありがとうございます! (2017年4月5日 16時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ぬうさん» 矢印を押してからアルファベットを打ったら出来ると思います! (2017年4月5日 14時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - あの、パスワード認証の大文字の打ち方がわかりません。どうするんですか? (2017年4月5日 14時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - アオアオさん» コメントありがとうございます!!祝いの言葉まで!次も頑張って書きます! (2017年2月15日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2017年1月31日 21時

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