雨が281粒。 ページ9
中原中也side
スゥー、スゥー、と寝息を立て乍ら俺の腕の中で眠る名前。
可愛くて仕方無ェ。
ぎゅっと強く抱き締めると、接吻する。
そして、目の下に薄らと出来た隈に目が行った。其れは名前の睡眠不足を物語っていた。
「ったく、あんま無理すンなよ…」
無理のし過ぎでぶっ倒れンじゃねェかと心配だ。
無意識なのか意識的になのか、此奴は一人で溜め込む。云やァ善い事も云おうとしねェ。
誰にも頼ろうとしねェのは、名前の悪ィ癖だ。
ずっと一人だったから頼る相手が居なかったのかもしれねェが、今は違ェ。俺だって居る。首領や姐さんをはじめとするポートマフィアの人間も。そして癪だが、太宰の木偶も。
最近の名前は"可笑しい"。この一言に尽きる。何かを隠している様な気さえする。
俺が変に疑ってるだけかもしれねェが、それでも違和感を拭えねェ。
時偶、苦しそうな顔をする。そして、哀しそうな顔も。
何を隠してンだ?
俺には云えねェ事なのか?
少しは頼ってくれよ。
「ちゃんと護るからよ。」
敵からも、E組の奴等からも。
辛く成ったら俺の処に逃げて来て善い。愚痴も云ってくれても構わねェ。
名前がして欲しい事何でもしてやる。それで嗤ってくれるなら、幸せだと思ってくれンなら安いモンだ。
もっと愛して欲しいなら愛してやる。腐る程愛してやる。厭だっつー位愛してやる。
「好きだ。大好きだ。否、愛してる。」
そう云い、眠る名前に再び接吻する。
「ふふっ……中也さん…」
「起きたのか?」
尋ねるが何も返って来なかった。
「寝言かよ。」
つか、夢に迄出て来るってどんだけ俺好きなんだよ。俺も好きだけどな。
「…ちゅ、やさん………す、き…」
「俺も好きだ。」
云うと、ふふっ、と嬉しそうに嗤った。
なァ、どんな夢見てんだ?起きたら教えてくれよ。
すると、急に名前の顔が険しく成った。眉根を寄せ、苦しそうにする。
「名前?」
「うぅ…厭、だ………中也さん、助けて…」
「!」
嗚呼、助けてやる。
名前がそれを望むなら。
誓う様に接吻した。
275人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バンビ(プロフ) - ぬうさん» いえいえ! (2017年4月5日 17時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - ありがとうございます! (2017年4月5日 16時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - ぬうさん» 矢印を押してからアルファベットを打ったら出来ると思います! (2017年4月5日 14時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう - あの、パスワード認証の大文字の打ち方がわかりません。どうするんですか? (2017年4月5日 14時) (レス) id: 16fdde5e77 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - アオアオさん» コメントありがとうございます!!祝いの言葉まで!次も頑張って書きます! (2017年2月15日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:バンビ | 作成日時:2017年1月31日 21時