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雨が167粒。 ページ34

何かと思っていると、所謂顎クイというやつをされた。



そして、私の唇に優しく触れた。






「嗚呼ほら、強く噛むから血が出ているよ。辛かったね、我慢しなくていいから。」





目に溜まり、落ちそうな涙を拭って云った。






「太宰さっ、」


「大丈夫だよ。さぁ、保健室に行こう。中也、連れて行くからね。」


「手出すなよ。」





判ってるよ、と云うと太宰さんは私を連れて保健室に向かった。



誰も居ない廊下は迚も静かだった。




保健室に着くと、以前座った丸椅子に座らされた。






「名前ちゃん、無茶は駄目だよ?」


「矢っ張りバレてました?まぁ、太宰さんにならバレてもいいんですけどね。」


「予想はしてたけど、本当にやるとはねぇ。後で中也の雷が落ちるのを覚悟した方がいいよ。」


「最悪ですね。」


「自業自得だよ。ほら、服脱いで。」


「太宰さんが云うと(意味深)が付きそうですよね。」


「非道いなー。私其処迄やばい人じゃないからね。」






シャツも脱いでね、という指示に従って、ブレザーとシャツを脱いだ。



下にはタンクトップを着ているので、別に見られても大丈夫だ。






「恥ずかしげもなく脱いだね。私も一応男だよ?手出さないけどさ。」


「判ってるから脱いだんですよ。早く手当てして下さいよ。」


「アリスは何だか不機嫌っとね。」






云い乍ら、私の腕の手当てを始めた。




何時も包帯を巻いているからだろうか、包帯を巻くのは上手かった。






「アリスは藤本を潰せてご機嫌ですよ?」


「物足りなさそうだよ?」


「まぁ、直ぐに潰れたんでね。面白味無かったです。」


「アリスは悪女だった。すごーく怖いね。」





何云ってるんですか、と服を整え乍ら云った。






「敵に回したくないんだけど、」


「既に敵ですね。」


「そう。君はうちの戦力に成るから入って欲しいのだけれど、無理だからねぇ。」


「異能目当てですか?其れ共、私の頭脳?」


「いやいや、君自身が欲しいのだよ。異能や頭脳もそうだけどね。…うちに来ない?」






その勧誘に、ポートマフィアで、と即答した。






「即答とはね…。"イイ事"いっぱいしてあげるよ?」


「中也さんがいいんで。」


「私もそれなりに上手いと思うのだけれどね〜。何なら、試してみる?」


「中也さんに殺されてもいいのなら。」


「じゃあ、これで我慢しよう。」






太宰さんは私の頬に接吻を落とした。

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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時

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