雨が165粒。 ページ32
私は藤本に近付き、嗤った。
「潰れてくれてありがとね、雌豚姫♪」
「はぁ?!アンタッ!」
「お前、自分から堕ちてくれるから手間が省けたよ。あ、カップケーキ有ったでしょ?あれ、私の自作自演♪」
云うと、ふざけんな、と藤本は私の頬を叩いた。
普通に痛い。でも、訓練で中也さんに殴られる方が余程痛い。
「巫山戯んな?此方の台詞だよ。私はお前の所為で何もかも喪ったんだよ。」
「アンタ、本当に水嶋……」
「気付くのおっそ。他の奴等も莫迦だよね〜。全然気付かずに嗤い掛けるんだから。」
「ずっと騙してたの?!」
「よく云うわ。お前もじゃん。あ、そうそう。此れ知ってる?」
私は携帯を取り出し、藤本にニュースを見せた。
其処には、藤本財閥が潰れた事と今迄の不祥事が明かされていた。
「嘘…」
「残念でした〜、潰れちゃって。之から生き辛く成るだろうけど、頑張ってね♪」
藤本は力が抜けた様に床に座り込んだ。
嘘だ、嘘だ、と呟いて。
「ポートマフィアが契約切った事も知らずに威張り散らしてたもんね。御両親も莫迦だねぇ〜。逆に尊敬しちゃうよ。」
「契約を切った…?」
「そうそう。元々首領は切りたがってたんだよね。だから、私が切るように勧めたの。」
「何でアンタがポートマフィアの首領と……。」
「んー?だって私、"氷のアリス"だもん。」
"氷のアリス"と聞いて、先程よりも青ざめる藤本。
「吃驚した?近くに本物が居て。
あの三人から聞いた時はお前の事殺そうかと思ったよ。あぁ、律と渚とカエデの事ね。
裏切り者のお前が氷のアリス?はァ?巫山戯んのも大概してよ。アリスは裏切り者を罰する為に存在してるの。そのアリスが裏切り者な訳ないじゃん。
それにお前、中也さんと太宰さんと敦君の事知らないでしょ。」
「…だったら何……」
「中也さんはポートマフィア幹部。後の二人は武装探偵社員。アリスなら、知ってる情報だよ。まぁ、アリスじゃなくても、ポートマフィアの人間なら誰でも、ね。
氷のアリスだって云うならさ、もうちょっと上手くやった方が善かったね。後、アンタ直ぐに自滅しそうだったから面白味が無かった。」
そんな奴に潰されたかと思うと、腸が煮えくり返るよ。
まぁ、結果潰せたから、ちょっと気分も晴れたかな。
「ねぇねぇ、之からどうするの?アンタには何処にも居場所なんて無いんだよ?家も潰れてさ。」
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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時