番外編 。。初詣。 ページ18
街で吐く息は白く、横浜の澄んだ空へと消えて行った。
今日は新年という事も有り、中也さんと初詣に行くのである。
服は姐さんに着付けて貰った着物。中也さんもそうらしい。
らしい、というのは未だ見ていないから。というか、今日は一度も会っていない。
初詣に行く為、待ち合わせをしているのだが、早く来すぎてしまったのだ。一時間程…。
自分でも莫迦だなと思うぐらい早く来たのは判っている。でも、好きな人には早く会いのだ。
(寒いな……。)
悴む手を擦り、息を吐く。その手の間から、息が零れた。その向こう側に見えた、大好きな彼の人。
私を見付けると、驚きつつも駆け寄って来てくれた。着物で走りにくいだろうに。
「お前、早すぎねェか？」
「楽しみ過ぎて。着物似合ってますね、中也さん！」
「名前も似合ってる。流石姐さんだな。」
「ふふふ。それにしても、中也さんも早いですね。遅く来てもよかったのに。」
「莫迦か。女より遅く来る男なんざ居ねェよ。ほら、手貸せ。」
手を差し出すと、中也さんの両手で包まれた。
冷えた私の手には迚も温かく感じた。
「おまっ、冷た過ぎだろ。手袋越しでも冷てェぞ。」
「あはは。中也さんは温かいですね。中也さんの手大好きです。」
「急にンな事云うんじゃねェ。」
「照れてます？可愛いですよ。」
うっせ、と云うと彼は私の手を引き歩き出した。
中也さんの後ろ姿を見ると、何時も思う。
背は小さいのに背中は大きいな、と。
まぁ、云わないが。というか、云ったら潰される。
「なァ、本当に車じゃなくてよかったのかよ。歩くの疲れねェか？」
私の歩くスピードに合わせた中也さんが、突然尋ねた。
中也さんの云う通り、私達は車では無く、徒歩で神社に行く。
提案したのは私。理由は至って単純。
「徒歩の方が中也さんと手を繋げますし、長く居られますから。」
「……そうか。」
「歩くの嫌でしたか？今からでも車に、」
「歩きでいい。……俺も長く居たいからな。」
「急に来るデレの破壊力！」
「何云ってんだ。」
云い乍ら、手を強く握ってくれた。其の事に思わず、笑みが零れた。
他愛も無い話をしていると神社に到着。
参拝する為列に並ぶ。すると中也さんが握っていた手を離した。
「中也さん？」
「何か買ってくるから並んどけ。」
私が答える前に彼は行ってしまった。
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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (
レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかﾄﾞｴｽになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの､すみません｡この次の小説にパスワードが着いていて､書かれてある通りに打ったり､コメントでみたパスワードを書いたんですけど､開けなくて｡どうしたらいいですか？ (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです！ありがとうございます！ (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い！ (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ | 作成日時：2016年12月29日 14時
