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雨が178粒。 ページ45

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保護者役である尾崎は教員室にて、出された緑茶を飲んでいた。





「急に押し掛けて済まぬのう。」


「いえ。こちらこそ、ご足労ありがとうございます。」





尾崎の向かいに座っている烏間が答えた。イリーナはその近くに立っている。太宰は教室。殺せんせーは何処に居るか不明だ。






「家の事情で彼奴等を二、三日休ませる。善いか?」


「構いませんが、電話で伝えて頂いても、」


「二人の居る環境を自分の目で見たかったのじゃよ。」






烏間の言葉を遮り、尾崎が云った。



烏間は、そうでしたか、と返した。そして、二人に授業にちゃんと参加するよう頼んだ。





「体育は到底無理じゃな。名前は病弱じゃ。持病も有る。中也は心配で体育等せん。」


「中原さんに持病があるのは知っています。ですが、見学もしなくていいとはならないんです。出来るだけ参加して頂きたい。中原君にもです。」





烏間は尾崎が暗殺の事を知らないと考えているので、この様な言い方をした。



だが、尾崎は知っていた。知らないフリをしているだけだ。






「それに体育はまだしも、通常授業もちゃんと受けてはいません。」


「彼奴等は中学の勉強はとうに終えて居る。する必要が無い。」


「ですが、」


「無理に勉強させて、彼奴等の負担にでも成ったら如何する。名前は最悪の場合、体調を崩すぞ。」






烏間は尾崎に何も云えなくなって、口を閉ざした。




「最悪じゃ。」




唐突に尾崎が発した。烏間もイリーナも、何の事だ?、と顔に記してあった。






「私から見た此処の感想じゃよ。」


「ちょっと!一目しか見てないのにそんな言い方!」





尾崎に怒ったのは今迄黙っていたイリーナ。



そんなイリーナを尾崎は睨んだ。





「名前には何も聞かんかったが、中也から聞いた。


お主等、名前では無く、藤本という生徒を信じたらしいな。名前は何もして居らんのに。」


「「!」」





教師二人は目を見開き、尾崎を見つめた。





「名前は赦したらしいが、私は赦さん。彼奴は繊細なんじゃ。心身共に弱い。なのに…」





尾崎は湯呑みを強く握った。そして、左目から一筋の涙が頬を伝った。



傍から見れば、中原名前を思っての事に見えるが、尾崎は水嶋名前の事も思って怒っているのだろう。





「この様な処に彼奴等を於いてはおけぬ。」





そう云うと尾崎は教員室から出て行った。

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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時

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