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兄妹度 103 ページ8

いつもより、胸が鳴る。多分、いつもより緊張しているから。
だから、ひとの歓声も大きく聞こえて、ライトの光がチカチカする。



そこで、ひとつ深呼吸。




ライブで緊張するのは当たり前。そこから如何に早く抜け出せるか、楽しめるか。それが問題である。









「A、大丈夫?」


「うん。大丈夫だよ、泉ちゃん。……バレー部のひとたち、来てくれたみたいだね」


「そりゃあ、あんたが頼んだら来るしかないでしょ〜」









バレー部のひとたちには迷惑を掛けてしまったので、そのお詫びとして、ライブに招待したのだ。もちろん、合宿で良くして貰ったし、そのお礼でもある。









「『絶対に後悔させません。最高のひとときをプレゼントします』、か。あんたも随分スゴいこと言ったねぇ」


「だって、私なら出来るもん。…ううん、アイドルならそうして当然でしょ?」


「強くなったね」









何処か哀愁を含んだ、優しげな笑顔を彼は私に向ける。



あぁ好きだ。綺麗な彼を見ると、不意にそう思う。哀愁を含んだ笑顔でさえ、彼を美しく見せる要因にしかならない。




今居るのは舞台袖。『Luna』や『Knights』、『Trickstar』の順番はまだだからそれ待ちだ。
今回のライブは私たちだけではない。他のアイドルだっている。まぁ、そっちの方がお客さんも集まるし妥当の策だろう。









「…今回のライブね、何だかいつもと違うの」









隣の泉ちゃんに向けて言ったのか、それともただの独り言か。
私自身にもよく分からない。









「楽しみにしてた。私がメインだって知ってから。でも、主催者はあいつで、何か出たくなくなって。……でも。でもね、今はとっても楽しみなの。緊張してるのに、はやく舞台に立ちたい。私の歌を、ダンスを、パフォーマンスを、お客さんに見せたい、歓声を浴びたい」









今この時は、業界で生き残るためだとか、そんなのは思っていない。純粋に、『アイドル』で居たいと思っている。









「アイドルって辞められないよね。歓声の誇らしさを味わっちゃったらさ、また味わいたくなる」


「……あんたがアイドルになったのは、俺がなったから。そう思ってたよ。でも、…それだけじゃなかったんだよね」


「一番の理由は泉ちゃんだけどね」









さっきまで流れていた音楽が終わる。









「スタンバイお願いしまーす!」









そして、私たちのライブの幕が開く。

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バンビ(プロフ) - タナトフィリアさん» コメントありがとうございます!!そんなに言って下さり、嬉しい限りです 最近はテストが近くて更新出来ず、申し訳ないです…… テストが終わり次第、更新するつもりなので、どうぞ宜しくお願いします┏○┓ (2017年11月28日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - とっても面白かったです!あんスタもHQも好きだけど、組み合わせるという考えは思い付かなかったので、「凄い!」って思いました!僕はこの作品に惚れました!更新待ってます!大好きです! (2017年11月28日 2時) (レス) id: 3f49c62afd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2017年10月13日 23時

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