兄妹度 100 ページ5
放して、何度そう言っただろうか。
けれど鉄朗は放してくれず、私の手に熱が込もっていくばかり。
こんな時、助けてくれる誰かが現れないものか。
王子様やヒーローでなく、私が好きな騎士が。
「お願いだから放っといてよ……！」
嘘だ。本当は誰かに傍に居て欲しい。でもその反面、もうひとりでもいいんじゃないかとも思う。
けれど、そうならない。私の周りには誰かが居る。自分でも分かっている、私がお姫様のような存在であることを。
お姫様はチヤホヤされる。そしてまた、妬まれる。
何処までも私と一緒だ。
唯一違うところと言えば、性格だろう。
物語のお姫様は誰にでも優しく、自分よりも他人を優先する。逆に私は、誰にでも優しくないし、自分が可愛い。そして自分がお姫様だと分かっているから、我侭も言う。
「何で私の言うこと聴いてくれないの?!」
我侭を言う故、自分の意見が通らないと困惑する。
「逆に、何でお前の言うこと聴かなきゃいけねぇんだ」
「！」
驚きと恐怖。それらを感じさせるほど、鉄朗の声は低かった。
「お前は確かにお姫様だ。だから大抵の我侭は許される」
「だったら、」
「けど、我侭ばっか言ってんじゃねぇよ。お前のせいでどんだけのひとに迷惑かかってると思ってんだ！」
「うるさいっ！私の気持ちも知りやしないアンタに、偉そうに言われたくない!!我侭言って何が悪いの!?私はお姫様だから言ったって許される！それを利用して何が悪いの!!」
＿＿＿＿パァン！
乾いた音が響き、私の頬に痛さを伝えた。
「いつまでお姫様のつもりだ!!甘ったれてんじゃねぇ!!!」
ガツーンと頭に衝撃を喰らった感じ。そして脳内をリセットするかの様に、頭の中が真っ白になる。
そんな頭の中に入ってくるのは、「鉄朗に叩かれ、怒られた」という事のみ。
……初めて、鉄朗に怒られた。まぁ、会って間もないし、当たり前と言えば当たり前。
「何すんの……」
「あ、わ、悪ぃ！ぶつつもりは無くてだな?!」
「……ははっ」
「!?」
急に笑い出した私に、「強く叩き過ぎて可笑しくなったのか?!!」と失礼なことを言いつつ狼狽える。
何か、目が覚めた気分。
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バンビ(プロフ) - タナトフィリアさん» コメントありがとうございます!!そんなに言って下さり、嬉しい限りです 最近はテストが近くて更新出来ず、申し訳ないです…… テストが終わり次第、更新するつもりなので、どうぞ宜しくお願いします┏○┓ (2017年11月28日 21時) (
レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - とっても面白かったです！あんスタもHQも好きだけど、組み合わせるという考えは思い付かなかったので、「凄い！」って思いました！僕はこの作品に惚れました！更新待ってます！大好きです！ (2017年11月28日 2時) (レス) id: 3f49c62afd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ | 作成日時：2017年10月13日 23時
