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兄妹度 99 ページ4

正直、何とも言えない。




泉ちゃんが鉄朗に話したことは、想定内と言えば想定内。けど、それでも心の何処かで言わないだろうと思っていた。
怒るにも怒れないし、複雑な心情だ。




それ故、目覚めは最悪。

昨日は泉ちゃんが帰った後、少し考えていたがいつの間にか眠ってしまった。



今の時刻は1時前。食事休憩も終わり、泉ちゃんたちもバレー部も、練習を再開している頃だろう。









「ご飯食べよ」









誰にも会わない時間帯、私にはとても都合が良かった。
今、誰かに会ったら平常心を保てない。八つ当たりして、傷付けて、迷惑をかける。




部屋に引き篭もってから、私のご飯はいつも別に置いてある。泉ちゃんの配慮だ。









「頂きます……」








ひとり、もそもそとご飯を口にする。ひとりで食べるご飯は、美味しくなく、虚しさがつのる。




久しぶりだ、ひとりでご飯を食べるのは。
合宿中は必ず誰かと食べていたし、それ以前も泉ちゃんと食べることが多かった。否、泉ちゃんは約束通り、私の傍を離れずに居てくれただけだ。









「ご馳走さま」








昔のことを考えていると、ご飯は私のお腹に消えていった。
食器を片し、何となく食堂に居座った。何もせず、ただ、ボーッと。




それがいけなかったのだろう。









「A…?」


「え……」








鉄朗と、会ってしまったのだから。



鉄朗は誰も連れて居ない。休憩中なのだろうか、首にタオルを巻いている。









「ちゃんと飯食ってんだな、良かった……」


「あ、うん」









気まずさから、私は食堂から出ようとした___が、鉄朗に捕まってしまった。









「放してっ」


「俺、瀬名くんから聞いたんだ。Aのこと。何も知らなかったとは言え、不快な気持ちにさせて悪かった……」


「いいから放してよっ!!」









泉ちゃんは確証の無い信頼を鉄朗に持った。だから話した。
でも、私は持ってない。信じられるほど、古傷は癒えてない。









「A、俺お前のために何かしたい」


「っ!なら私に関わらないで!」


「そんなんムリに決まってんだろ」


「無理じゃないでしょ?!どうせアンタだって、私に同情して哀れんでるだけ!!」









そして、自分はこう(、、)じゃないと優越感に浸るのだ。

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バンビ(プロフ) - タナトフィリアさん» コメントありがとうございます!!そんなに言って下さり、嬉しい限りです 最近はテストが近くて更新出来ず、申し訳ないです…… テストが終わり次第、更新するつもりなので、どうぞ宜しくお願いします┏○┓ (2017年11月28日 21時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - とっても面白かったです!あんスタもHQも好きだけど、組み合わせるという考えは思い付かなかったので、「凄い!」って思いました!僕はこの作品に惚れました!更新待ってます!大好きです! (2017年11月28日 2時) (レス) id: 3f49c62afd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2017年10月13日 23時

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