兄妹度 108 ページ14
食堂に入って来た人たちに、私は唖然とする。
「Aはもうあなたの娘じゃないわ」
そこには、勇ましく立つママの姿が。パパや鉄朗も居る。
ママの発した言葉に、ママは立ち直ったのだと、もう無理をしていないのだと、嬉しくなる。
「ま、ま…」
「あれ聞いてた？なら話がはやい。Aを俺にくれる？」
「くれるって……Aは物か何か？」
「強いて言うなら、生きる人形♪整った顔に加えて、従順。まるで自分の意思を言えない、心の無い人形そのものだ」
私も、傍から見たら人形なのだろうか？
いいや、違う。私はちゃんと自分の意思を持っている。生きる人形などでは無い。
「Aを人として見れない時点で、あなたの元には行かさない。それにさっきも言ったでしょう？Aはもうあなたの娘じゃないと」
ママの言葉に、姿に、感動していると、ママは私を自分の方へと連れた。
そして、後ろから肩を掴む。放さぬように、強く。
「Aは今まで私が一生懸命育ててきた大事な愛娘よ。そんな娘を、置いて出て行った元旦那に渡すと思ったら大間違いよ。それに、この娘の父親はこの人。あなたじゃない」
ママはパパに目をやり、パパは私を見た。優しく、にこやかに。
「それに…」とママは続け、今度は鉄朗を見る。
「Aを大事に思ってくれるお兄ちゃんも居る。あなたが入る隙は無い」
「……ふーん。面白くない。…ていうか、分かってないんだ？俺は芸能界に顔が通じてる、Aを消すことだって可能なんだけど？」
「！…いったいどこまで＿＿＿＿」
「なーんてな」
私の言葉を遮ったあいつは、もうニヤついた笑みを浮かべていなかった。
その代わり、哀愁を漂わせていた。
「…今更なんて、俺がよく分かってる。だから、俺のとこに来いなんて嘘。俺のせいでAは性格ひねくれたから、うまくやってるか気になっただけ」
それ以外は何も無い、とあいつは肩をすくめる。
「ただ…」そう付け足すものだから、妙に気になって沈黙が流れた。
「ちょっとだけ、話させてほしい」
嫌。
と、以前の私は言っていただろう。けれどこの時のは私は、
「分かった」
哀愁を漂わすこいつが引っかかり、了承してしまった。
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バンビ(プロフ) - タナトフィリアさん» コメントありがとうございます!!そんなに言って下さり、嬉しい限りです 最近はテストが近くて更新出来ず、申し訳ないです…… テストが終わり次第、更新するつもりなので、どうぞ宜しくお願いします┏○┓ (2017年11月28日 21時) (
レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - とっても面白かったです！あんスタもHQも好きだけど、組み合わせるという考えは思い付かなかったので、「凄い！」って思いました！僕はこの作品に惚れました！更新待ってます！大好きです！ (2017年11月28日 2時) (レス) id: 3f49c62afd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ | 作成日時：2017年10月13日 23時
