×恐怖→○恋愛対象となりました 【時透無一郎】

102 言葉の刃 ページ7

理解できてない時透に胡蝶は、

胡蝶「冨岡さんが仰ったことは当たっています。
君はAさんを精神的に傷つけたんです」

時透「！…どういうこと？」

胡蝶「あまり手掛かりを与えたくはないんですが……私が１年前にAさんのことで注意したことはまだ覚えてますか？」

時透「？………！、ぁ…」

今の今まで時透はすっかり忘れていた。Aと色々なことがあったため、完全に記憶から抜け落ちていた。

胡蝶「思い出しました？」

時透「…うん(確かAに鬼殺隊を辞めるよう言ったんだよな…まだ、思い出せないけど)」

胡蝶「それがAさんと初めて会った日の出来事、そして…君に恐怖心を持ったきっかけです」

時透「！？………A…そんな事気にしてたの？」

胡蝶「(ﾋﾟｷｯ)…ふーー」

落ち着くため胡蝶は大きく息を吐いた。

胡蝶「確かに時透さんの場合は、大したことではないと思います。でも、自分が何気なく放った言葉で、その人に深い傷を負わせることもあります。
君だって伊黒さんから苦手部分を指摘された時とか、宇髄さんに恐怖対象だと教えられた時とか、Aさんに振られた時とか、傷ついたり嫌な気持ちになったでしょう？(^^)」

時透「…」

胡蝶「言葉は時に凶器になり得るんです。君はAさんを通して少し理解したほうが良いですよ」

時透「…そうだね。今もさっきも胡蝶さんの言葉で凄くイライラはしてるから」

胡蝶「あらぁ失礼しました。これでもとーっても控えめに言ってる方ですよ(^^)」

時透「(あれで？)」冨岡「(あれでか？)」

胡蝶「何か言いたいことでも？」

時透「…別に」冨岡「……」

胡蝶「そうですか。
話を戻しますが、Aさんはあの日ずっと心此処にあらずな状態でした。何があったか聞いても教えてくれないので、時雨さんから聞きました。相当きつい言葉をぶつけてます。
それに……」

時透「何？」

胡蝶「…いえ、なにも。
ですが、普通の隊士から言われたなら、Aさんも恐怖心は持ったりしないでしょう。
柱の貴方の、本心からの言葉だったから傷ついたんでしょうね……
Aさん、時透さんの事は特別視してましたから」

時透「！……特別視？」

胡蝶「あ、勿論色恋などは全く関係してませんから(^^)」

時透「……(怒)」

胡蝶「私が初めてあの子に時透さんの話をした時…」

103 出逢う前の彼について→←101 言い渡された罰

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す