×恐怖→○恋愛対象となりました 【時透無一郎】

143 作戦開始！ ページ48

作戦が決まり、話は何を作るかになった。

甘露「Aちゃんは鶯餅が大好きだけどぉ…」

伊黒「ではそれでいいんじゃないか？」

時透「………がいい」

甘露「ん？なぁに？」

時透「…Aが食べたこと無いやつがいい」

時透の要望に二人は目を丸くした。

甘露「無一郎くん、何でか聞いてもいい？」

時透「……前に煉獄さんが」

時透は、Aが千寿郎の作った洋菓子にとても喜んでいたことを話した。

時透「それ、A食べたこと無いやつだったから、僕もそうしたい」

甘露「(つつつつまり、千寿郎くんに対抗意識燃やしてるのねっ！なんっって可愛いのぉぉ〜!!)
分かったわ！なら洋風のものがいいよね！私に任せて!!」

甘露寺は客間を飛び出ていった。

伊黒「まったく…ここまで協力してやってるのに、更に我が儘を重ねるとは、何様のつもりだ」

時透「料理は協力しなくていいですよ。甘露寺さんの案聞いたら僕１人で作りますから」

伊黒「ﾌﾝｯならばいい」

甘露「お待たせ〜！」

戻ってきた甘露寺は薄い冊子を持っていた。それには…

時透「……ぱんけーき？」

甘露「そっ！コレにしましょお!!」



三人は調理場に移動した。

甘露「ここにあるもの好きに使っていいよ！頑張ってね！」

甘露寺は手伝う気満々だったが「作り方の紙あるし大丈夫です」と時透が断った。

甘露「(きっと自分の力だけで作りたいのね！キャーッAちゃん愛されてるわぁ〜)
じゃあ私達はAちゃん探してくるね！行きましょっ伊黒さん」

伊黒「ああ」

甘露寺が走って出ていき、伊黒も歩いて後に続いた。

伊黒「(しかし意外だな…時透の奴 料理の心得があったのか)」

伊黒が戸を閉めきる、その瞬間

とんでもない言葉が耳に入った



時透「………卵ってどう割るんだろ？」

ﾊﾟﾀﾝｯ…

伊黒はその場で固まった

伊黒「……鏑丸、俺は視力だけでなく聴力も落ちたのだろうか？今、これから１人で料理する奴からあり得ない言葉が聞こえたが…」

鏑丸「ﾌｼｭｳ〜(俺も聞こえた)」

すると


バキッベシャッ……ベキョッビチャッ……


扉越しから聞こえる音に伊黒と鏑丸は冷や汗を流した。再び戸を開けようとしたが

甘露「伊黒さーん！麗ちゃんがAちゃん見つけたってー！悲鳴嶼さんの所よー！早く行きましょー！」

ﾋﾟﾀｯ 伊黒「…」

動きを止めた伊黒は、脳内でAの身の危険と甘露寺の頑張り兼作戦遂行を天秤にかけ…

伊黒「…」ｽﾀｽﾀｽﾀ

後者を取った…

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