×恐怖→○恋愛対象となりました 【時透無一郎】

100 蝶の猛毒(舌) ページ5

悲鳴嶼から聞いた話をすると、胡蝶は驚きの表情をした。
そしてため息を一つして再び座った。

胡蝶「…君への罰は一旦保留にします。もしそうならAさんは君が何かされるのは嫌がりそうですし」

時透「冨岡さんの時と違って随分あっさり信じるね」

胡蝶「冨岡さんは信じる信じない以前に言葉足らず過ぎて正しい情報を得るのが困難なだけです。まぁ信頼性も低いですが」

冨岡「！(心外)」

胡蝶は真面目な顔で時透に向き合う。

胡蝶「それで時透さん…君はAさんの気持ちを確認しに来たとのことですが

そういう理由ならお引き取り下さい」


時透「(ﾑｯ)…何で？」

胡蝶「今の話が真実ならAさんは、貴方の気持ちに向き合うために努力している…つまり、それが成されるまで時透さんに気持ちを伝えるつもりはAさんにはないでしょう。そんなAさんに自分のことが好きかの確認などすれば、あの子は困るだけです」

それに、と胡蝶は続ける。

胡蝶「悲鳴嶼さんは"ほのかな"恋心と仰ったんです(^^)
"ほのかな"とはかすかに・ぼんやりという意味です。Aさんの貴方への恋愛感情は"ほのかな"もので明確なものではありません。そんな中で好きかどうか聞いて、違うと言われれば君だって傷つくことになりますよぉ(^^)」

時透「いちいちほのかって強調するのやめてくれない？」

胡蝶「すみません大事なことですから！というわけで、今そんな行動をするのはお互いのためになりません。なのでお帰り下さい」

時透「…」ﾑｽｰｰｰ

胡蝶「そんな不服そうな顔してもダメですよぉ。恋愛は自分本位で動くのはよくありません。
君が他人の感情に疎いのは仕方ありませんが、私にとやかく言われたくないなら、せめて好きな子の気持ち位は汲み取れるようになりましょうね〜。
そんなだから、Aさんに恐怖対象としてずっと避けられるんですよ(^^)」ﾂﾝﾂﾝﾂﾝﾂﾝﾂﾝﾂﾝ

ｲﾗｯときた時透は胡蝶の突っついてくる手を払おうとしたが、その前にｻｯと避けられた。

冨岡「…時透は四宮に嫌われていたのか？」

時透「ちゃんと話聞いてた？怖がられてただけ。嫌われてない」ﾑｽｯ

胡蝶「(冨岡さん…皆に嫌われてるのは貴方です)
Aさん、時透さんのことずっと怖がって避けてたんですよ。もう克服しましたが(それがまさかこんな事になるとは…)」

胡蝶はAに、時透と友人になる提案をしたことを少し後悔した。



冨岡「………何故だ？」


胡蝶「え？」時透「？」

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