×恐怖→○恋愛対象となりました 【時透無一郎】

121 断片 ページ26

煉獄「起こしてしまいすまなかった！静かにしたつもりだったんだが」

宇髄「いやお前はいつも通りだったろ。つーか気配隠してたって、いつから起きてたんだよ？」

時透「恋は人を変える？って辺りから」

宇髄「ほぼ最初からじゃねーか。とっとと起きりゃよかっただろ」

時透「だって……」

「「？」」

時透「僕が入る隙ないくらい仲良くしてたでしょ」

時透は片頬をﾌﾟｸｩと膨らませて不機嫌に言った。宇髄はそんな時透に目が点になる。

宇髄「(マジで恋は人変えんなぁ…コイツも年相応のガキだったってことか)」

案外可愛いとこあんじゃねーか、と宇髄は思った。

時透「それに寝たフリしてた方が、二人がAに色々聞き出すかなって。さっき煉獄さんが口滑らせてたみたいに」

煉獄「成程、時透は頭が良いな！」

宇髄「感心するとこじゃねーよ！脳ミソ爆発してんのか！？それで悲鳴嶼の旦那や胡蝶に文句言われんの俺らだぞ！
お前も悪知恵働かすな！！(怒)」

ｽﾊﾟｧﾝと小気味良い音をたて、時透の頭をはたいた。
やっぱコイツ糞ガキだ、と早くも宇髄は前言撤回した。

煉獄「だが確かに、盗み聞きはよくないな。それと次からは、遠慮せず起きてくれて構わないぞ！」

宇髄「いや遠慮じゃなく単純に嫉妬だろ。ったく…俺ら相手で嫉妬してたら、この先身が持たねぇぞ」

時透「……」

宇髄「それに、惚れた女が泣いてたら慰めるくらいしろっつーの」

時透「…そういうのよく分かんない。慰めるってどうするの？」

宇髄「そりゃさっきの煉獄みてぇに………いやお前には派手に無理だな」

時透「…」

煉獄「そんな事はないと思うぞ！俺は思ったことを伝えている。悲鳴嶼殿も、時透は言いたいことは言える子だと仰っていた！」

宇髄「(それたぶん意味合いが違ぇと思うぞ)」

煉獄「時透も、四宮の剣士の才能などは認めているだろ？一緒に修行に励むほどだからな！そういったことを伝えれば良いと思うぞ！」

時透「…それは、認めてるけ＿＿」





"＿＿君剣士の才能ないよ＿＿"





"＿＿修行しても時間の無駄＿＿"





時透「！」ｽﾞｷﾝｯｯ


煉獄「ん？時透？」

宇髄「おいどうした？」

急に時透がこめかみ辺りに手をあて、強ばった顔をし俯いたため、二人は驚く。

時透「(誰だ？誰に言われた？

…いや、あれは僕の声だ

……僕が誰かに言った？

誰に…)


………なんでもないです」

顔を上げた時透はいつも通りの表情で二人に言った




時透「(……まさかね)」

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