×恐怖→○恋愛対象となりました 【時透無一郎】

120 口は災いの元 ページ25

宇髄は話を逸らすため口を挟む。

宇髄「あー煉獄、その四宮の初恋だが地味に勘違いだったぞ」

『！ちょ、ちょっと宇髄様』

宇髄「隠すことねぇだろ。疚しい事じゃねーし」

『そ、それはまぁ…』

煉獄「宇髄、勘違いとはどういう事だ？」

宇髄「実はな、四宮のソイツに対する気持ち、憧れからきてたんだよ」

煉獄「……なんと!?そうなのか？」

『み…みたいです。勿論好きではありましたが、恋愛的な意味ではなかったんです(苦笑)』

Aの気を逸らせて、煉獄も余計な事をこれ以上言わないよう、思い切り派手な話題を振った宇髄

上手くいき安心した……のも束の間


煉獄「よもやよもやだ……つまり四宮！


君の真の初恋の相手は、と(パァン！！)

『宇髄様!?』

煉獄の口を宇髄が勢いよく塞いだ。もう叩いたと言える威力で…

宇髄「悪ぃ悪ぃ。なんか蚊が飛んでたからよ」

『(まだ蚊が出る時季じゃない気が…)
れ、煉獄様、大丈夫ですか？』

煉獄「問題ない！少し口周りがヒリヒリするがな」

そう言う煉獄の口周辺は赤くなっていた

『(問題ありますよ！(汗))』

宇髄「なんか地味に喉乾いたな。四宮、何か持ってきてくれ」

『ぇ、あ、でも動け……ん？』

いつの間にか膝にあった重みが消えた。Aが視線を移すと…
煉獄の膝上に時透が移動していた

『!?』 煉獄「よもや！」

二人が驚く中、宇髄は埃を払うように両手をパンパンしていた。
一瞬で時透を移動させたらしい

『(は、速い…流石 宇髄様)』

宇髄「これで動けんだろ。行ってこい」

『あ、はいっでは茶菓子も』

煉獄「悪いな！四宮」

Aが部屋から出ていったのを確認した宇髄。
そして

宇髄「煉獄ぅ…お前なに派手に暴露しようとしてんだよ！」

煉獄「すまなかった！あまりの衝撃につい口が滑った」

やっぱり付いて来て正解だったと、宇髄は心の底から思った。

煉獄「それにしても先程の事実、是非時透にも聞かせたかったな！」

宇髄「あーそれなら残念がる必要ねぇよ」

煉獄「む？」


宇髄「おい時透、いつまで地味に狸寝入りしてんだよ」

時透「…………」


むくりと時透が起き上がった

煉獄「よもや！起きてたのか時透？」

時透「あれだけ騒げばどんな鈍い奴でも起きるよ。気配隠してたけど。いつ分かったの？」

宇髄「四宮の初恋、勘違いっつった辺りからな。一瞬だが動揺したろ？」

通常なら煉獄とAも気付けたが、時透同様に話題の方に気をとられた為、宇髄しか気付けなかったのだ。

121 断片→←119 今できることを

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す