×恐怖→○恋愛対象となりました 【時透無一郎】

98 水柱は見た ページ3

ｺﾞﾄﾝｯ

アオイが持っていた医療器具用のお盆が落ちる音で、空気が戻った。

胡蝶「冨岡さん……貴方もう言葉足らずどころの話じゃありませんよ。時透さんとAさんが恋仲なんて、変なこと言わないで下さい」

冨岡「俺は変なことなど言ってない」

胡蝶「ならどうしてそう思ったんですか？理由を教えて下さい」

時透「(僕この人にAとのこと話したっけ？もう事情知ってる皆にはAが口止めしてるし…それにまだ恋仲じゃないし)」

時透は首を傾げながら、二人の会話を聞いていた。

冨岡「…………」

胡蝶「なんとか仰ったらどうですかー？」

冨岡「……あれは確か一月以上前」

胡蝶「そんなとこから話されても困るんですけど…もっと簡潔に話してくれません？」

冨岡「ある町で、時透と四宮を見た」

時透「！」

胡蝶「本当に簡潔にまとめましたね…
冨岡さんご存知ないんですね。今お二人は合同任務を多くこなしているんです。だから一緒にいてもおかしくありません。

さて、誤解も解けましたし用件を「告白していた」…はい？」

冨岡「時透が四宮に告白していた」

胡蝶とアオイは時透に視線を向けた。

時透「(町って、デヱトした町のこと？…そこで告白した覚えないけど……どうだったっけ？)」

疑問符を浮かべる時透を見て胡蝶は

胡蝶「時透さんは心当たりないみたいですよ」

冨岡「……簪を贈っていただろ」

時透「？ うん」

胡・ア「「え!?」」

時透「何？」

胡蝶「時透さん…男性が女性に簪を贈るのは＿求婚の意味があるんです」

時透「！…そうなの？」

胡蝶「ああ…ご存知なかったんですねっ」

胡蝶はホッと胸を撫で下ろしたが…

冨岡「その後、接吻していただろ」

胡・ア「「…!!?」」

アオイは真っ赤になり口を開閉させ、胡蝶は緊迫した顔で再び時透を見た。

胡蝶「時透さん…本当ですか？」

時透「…違うよ」

胡蝶「…冨岡さーん…貴方口下手なだけでなくいつの間に二枚舌になったんです？これ以上可笑しなこと仰らな「口にはしてない」…え？」

時透「頬っぺにした。本当は口にしたかったけど……胡蝶さん

僕、Aのことが好きです」

真っ直ぐ見据え時透は胡蝶に言い放った。

胡蝶「…ちょっと場所を変えましょうか。来て下さい時透さん。冨岡さんも」

冨岡「俺は薬を貰い「四の五の言わず来て下さい(^^)」……」

出ていった三人を見てアオイは

ア「(隊律違反で柱が抜けたりなんてしないわよね(汗))」

乱闘が起きないか心配していた

99 蟲柱 対 霞柱→←97 突然の来訪者

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す