×恐怖→○恋愛対象となりました 【時透無一郎】

108 謝罪とお詫び ページ13

時透side

『ごめんなさいｯｯ!!』


時透「…………え？」


話って何？、って聞いたら、向い合わせで座るAに謝罪された。

僕、Aに謝ってもらうような事されたっけ？

時透「(！…もしかして

『色々考えましたが、やっぱり貴方とお付き合いはできません。ごめんなさいｯｯ!!』

とか…)」

悪い想像ばっかり膨らむ…胡蝶さんとの会話のせいだ

時透「…何で謝るの？」

『今まで、心配してくれてたのに隠し事をして…昨日も怒らせてしまって…本当にすみませんｯ』

時透「……そっちか」

『え、そっち？』

時透「あーこっちの話。気にしないで」

とりあえず良かった……

『私今…宇髄様と悲鳴嶼様の所で修行をしていまして』

時透「…は？悲鳴嶼さんだけじゃなかったの？」

『はい。宇髄様も…って、え？』

時透「実はここ来る前に…」
＿＿＿

『そうですか……悲鳴嶼様が…』

時透「だからその事はもう気にしてないよ」

『でも…心配かけたのは事実なので、すみませんでした…』

時透「……何でそこまでしてくれるの？」

『え？』

時透「僕の為に、何でそこまでするの？」

『！…それは』

…ずるい聞き方してるのは解ってる。でも、言ってほしかった

僕のことが好きだからだって

『その…約束破るようなことしたくないですし、生半可な特訓じゃ無一郎さんの足を引っ張るだけですからっ』

時透「…」ﾑｽｯ

…やっぱり言わないか
それとも…胡蝶さんの言うとおり、まだ好きじゃないのかな…
今までで一番モヤモヤする

時透「…」むぅーー

『……無一郎さん、心配かけたので何かお詫びさせて下さい！』

時透「！…え」

『何でもしますから！』

…これ、気を使ってるな。僕の様子が変だから

でも

時透「……何でもなんて言わないほうがいいよ」

『？』


ｸﾞｲｯ


『え？』


ﾁｭｳｯ


時透「(ああ…なんか久しぶりだなぁ)」

Aの唇…こんな柔らかかったっけ……

さっきまでモヤモヤしてたのが、どんどん無くなってく

ﾁｭ……ﾁｭｸ

時透「(すごく気持ちいい…)」

いい加減離れないとまずいな…止まんなくなる

ﾁｭｯ

時透「ほら、こういう事されても文句言………え」

言葉に詰まった

だって

『…ｯ………ｯｯ……』


Aが頬を赤くして、涙いっぱい溜めて伏し目がちな表情をしてたから

身体も小刻みに震えていた


時透「(てっきり怒ると思った。なのに…)」


そんなAを見た瞬間…





ﾌﾞﾁｯ





僕の頭の中で何かが切れた

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