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82 贈り物 ページ35

時透side

デヱトを十分に楽しんで帰ろうとしてた時、ある店が目に入った。

時透「(そういえば…)ねぇ、Aは何か買わないの?」

『え?必要な物は買いましたよ』

時透「そうじゃなくて、自分用で何か買わないの?」

今日買った物でAの物はない。全部誰かのための物だ。

『うーん…特に欲しいのはないので』

時透「…」

悩むAの手を掴んで、僕は店に近付く。

『ちょっ無一郎さん?』

時透「何か選んで」

『…あ、ここ』

甘露寺さんが、伊黒さんから贈り物もらって嬉しかったと言ってたのを今思い出した。

僕もAに贈り物をしたいと思った。

目についた店は女の人が使う物が売られてて丁度良かった。
Aは渋っていたけど、僕が引く気がないのがわかると選び始めた。

『えーっと………あっ』

Aが手に取ったのは、碧色の蜻蛉玉がついた簪だった。

時透「それが欲しいの?」

『綺麗ですけど………他のにしま(ヒョイ)…え!ちょ!?』

戸惑うAを無視して勘定しに行った。明らかに値段見てやめようとしたから

店から出たらAが慌てて僕に詰め寄る。

『無一郎さん、ちょっと!?』

時透「Aが変な気使うからだろ?じっとしてて」

Aの髪にさっきの簪をそっと差した。

時透「うん。いいんじゃない」

『……ありがとうございます、無一郎さん!大切にします』

簪に触れながら凄く嬉しそうに言うAに

時透「…可愛い」

『えっ』

自然と口から零れた。その言葉以外出てこなかった。
赤くなって俯くAの顔を、両手で持ち上げた。

……結構我慢したし、ちょっとくらい良いよね


チュウッ


『!!?、え、ちょっ』

時透「(前と全然反応違う)」

前は頬に口付けたら悲鳴あげてたのに…今は真っ赤になって頬抑えてる。

『こ、こういうこともうしないってっ!』

時透「だってもう怖くなくなってるし、ずっと我慢してたから…それに

ホントならこっち(唇)にしたかったし」

『っ〜』


ヒソヒソ チラチラ コソコソ


『!!』カアア

ダッッ

時透「あ」

Aが走ってったから直ぐに追いかけた。

時透「何で逃げるの?」

『当たり前ですよ!?人前であんな事っ』

時透「別にいいでしょ。見られても気にならないし」

『気にして下さい!』

ここに来た時みたいに、僕らは手を繋いで町を後にした。最後はああなったけど、僕らは満足してたと思う。




?「………あれは」

だから、あの人に見られてたのに気付かなかった。

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雪花菜 - 続編お祝いコメントありがとうございます😊三作目も楽しんで読んでもらえるように頑張りますね!! (11月3日 7時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - 続編決定、おめでとうございます🎉続きがすごく楽しみです✨これからも頑張ってください😊 (11月2日 22時) (レス) id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
月坂柚花(プロフ) - 続編おめでとうございます! 続き、楽しみにしていますね! (11月2日 20時) (レス) @page50 id: d344506545 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - まちゃむんさん» こっちでもコメントありがとうございます!😆本当に嬉しいです! (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - いつも更新を楽しみにして下さりありがとうございます❗次の更新ですが、"お知らせ"になりますので本編の続きは少し待って下さい😣すみませんがよろしくお願いします🙏 (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪花菜 | 作成日時:2023年8月8日 20時

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