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81 記憶の残し方 ページ34

時透side

少し照れたような笑顔でAは言った。
その顔にまた胸がギュウッとなって、触れたくなったけど我慢した。

『もし楽しい事があっても覚えてられない…昨夜も言いましたが、私だったら辛いです。だから、無一郎さんが楽しい記憶を残せるなら一緒にいようって思ったんです』

……理由はわかったけど、でもそれ…

時透「…Aは楽しかった?」

『え?』

時透「さっきお互い楽しむって言ったでしょ?Aは楽しかった?」

Aが僕のためにしてくれたのは嬉しいけど…Aも楽しくなきゃ意味がない。

Aはキョトンとした後…笑って答えた。

『私も楽しかったですよ』

時透「…本当?」

『はいっ。むしろ私だけ楽しんでたらどうしようって思いましたけど、無一郎さんも同じで安心しました』

そう話すAの表情に嘘はないってわかった…

『今日は本当に楽しかったです。ありがとうございます、無一郎さん』

時透「……」

グイッ

『!』

Aの肩を抱き寄せて僕にもたれるようにした。僕の顔の下あたりにAの頭があったから、頬を擦りよせた。

Aと花の匂いがする…

時透「ねぇA、僕…Aと一緒にいる時は、いつも楽しいって思ってる」

『ぇ…』

時透「デヱトの時だけじゃなくて、Aと話してる時も…一緒にご飯食べてる時も…Aがそばにいると嬉しくなるし…触れたいって必ずなる」

『……』

時透「困らせるのわかってて言うけど……

俺はAじゃないと、楽しいと思える時間も記憶も作れないから

だから僕から離れないで」

『…っ…無一郎さん、私、』

位置的にAの表情は見えなかったけど、声は少し緊張で強ばっていた。

『無一郎さんが望んでる関係はまだ無理ですけど…先程言ったように、私は貴方が楽しいと感じることは覚えててほしいです。だから…離れたりはしないです。…都合のいいこと言ってるかもですけど』

時透「…ううん。良いよ、今はそれで」

あとは僕の努力次第だから

僕はそう思いながら、Aの髪に顔をうずめた。
Aは一瞬ビクッてなったけど……僕にもたれるように体を預けてくれた。

時透「(早く…Aと恋仲になりたい。それにさっき…)」


"無一郎さんが望んでる関係はまだ無理ですけど"


時透「("まだ"ってことは期待して良いんだよね…)」

肩に回した手に自然と力が入った。

82 贈り物→←80 デヱト開始



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雪花菜 - 続編お祝いコメントありがとうございます😊三作目も楽しんで読んでもらえるように頑張りますね!! (11月3日 7時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - 続編決定、おめでとうございます🎉続きがすごく楽しみです✨これからも頑張ってください😊 (11月2日 22時) (レス) id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
月坂柚花(プロフ) - 続編おめでとうございます! 続き、楽しみにしていますね! (11月2日 20時) (レス) @page50 id: d344506545 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - まちゃむんさん» こっちでもコメントありがとうございます!😆本当に嬉しいです! (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - いつも更新を楽しみにして下さりありがとうございます❗次の更新ですが、"お知らせ"になりますので本編の続きは少し待って下さい😣すみませんがよろしくお願いします🙏 (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪花菜 | 作成日時:2023年8月8日 20時

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