79 恐怖が失くなり… ページ32
時透side
胡蝶さんが言ってた通り、Aは僕の事もう怖くなくなっていた。それを聞いた時、僕はホッとしたのと同時に凄く嬉しかった。
時透「(じーーーー)」
『……あの、無一郎さん。ご飯の時見るの止めてもらっていいですか?(汗)』
時透「何で?」
『落ち着かないし…その……恥ずかしいので』
前みたいな硬い表情じゃなく赤い顔で言うAに、僕は手を伸ばしてそっと頬に触れた。
『(ピクッ)……ぅ…ッ』
時透「(あったかい…それに柔らかいな…)」
サワサワ…フニフニ
飽きずに触っていたらAが『ご飯冷めますよっ!』と言って反対の方を向いて食べ始めた。
声は怒ってたけど、真っ赤な耳が見えて照れてるのがわかって僕はまた嬉しくなった。
 ̄ ̄ ̄ ̄
藤の花の家紋の家を出た僕達。任務はないけどAが
『しのぶさんから、この近くの町で薬を買うのを頼まれてるので行ってきます』
時透「…それ、僕も行っていい?」
『あ、はい!無一郎さんが良いなら』
時透「じゃあ行こ」
ギュッ
『!、あの、手「こっちでいいの?」…はい。この道です』
僕らはそのまま歩きだした。Aは最初戸惑ってたけど、少ししてから僕の手を握り返してくれた。
前はこんなことしなかったのに。…たったそれだけでも心臓辺りが温かくなった。
時透「あの鳥なんて名前だっけ?」
『あれは…ツバメですね!』
時透「ツバメ……あー胡蝶さんみたいな鳥だ」
『えっ?そういう印象だったんですか?』
時透「うん。似てるなぁって」
『ふふっ、そうですか』
他愛ない会話がすごく心地がよかった。隣にAがいて、笑ってくれて…
時透「(そういえば任務以外でAとこんな風に歩くことなかったっけ)」
Aに手を引かれながら薬種問屋に着いた。店の人が用意するのを待ってる時も僕らは話をしていた。
時透「何の薬買ったの?」
『薬湯に使う材料です』
時透「あー、アレ気持ち良かったからまた欲しい」
『じゃあまた差し上げますねっ』
時透「あと、ふろふき大根も欲しい」
『あはは(汗)、時間が合えば』
そんな会話してたら店の人が来た。
「お待たせしました。仲が良いですねぇ、もしかしてデヱトですか?」
『デッ!?』
?…デヱト?
時透「デヱトって何?」
「仲の良い男女がお出掛けすることですよ。見ててとても微笑ましかったです」
時透「!…ふーん」
『お、お勘定お願いしますっ』
"仲の良い"
他人から見て僕らはそう見えるんだ…
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雪花菜 - 続編お祝いコメントありがとうございます😊三作目も楽しんで読んでもらえるように頑張りますね!! (11月3日 7時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - 続編決定、おめでとうございます🎉続きがすごく楽しみです✨これからも頑張ってください😊 (11月2日 22時) (レス) id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
月坂柚花(プロフ) - 続編おめでとうございます! 続き、楽しみにしていますね! (11月2日 20時) (レス) @page50 id: d344506545 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - まちゃむんさん» こっちでもコメントありがとうございます!😆本当に嬉しいです! (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - いつも更新を楽しみにして下さりありがとうございます❗次の更新ですが、"お知らせ"になりますので本編の続きは少し待って下さい😣すみませんがよろしくお願いします🙏 (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪花菜 | 作成日時:2023年8月8日 20時