65 お互いに変化 ページ18
蝶屋敷の診察室で、Aは胡蝶と一緒にいた。
『こっちの薬も切れかけてますね』
胡蝶「最近は怪我を負う隊士が増えてますからね…あまり言いたくはありませんが、隊士の質が落ちてますから」
胡蝶の言葉にAは否定できず苦笑する。
Aも任務でそれは感じていた。
『(無一郎さんも隊士の扱いが凄くなってるからなぁ(汗))』
任務や救援で隊士に「邪魔だよ」「足引っ張らないで」といった言葉が常に聞かれている。
『(思いやりはないけど、悪意も一切ないからなぁ)』
胡蝶「あ、Aさん。もうすぐ時透さんが診察に来ますよ」
『そうですか。必要な薬頂いたらすぐ出ます』
胡蝶「…」
『何か?』
胡蝶「ふふ、いえ。前は彼の名前を聞いただけで一目散に去って行ったのに、変わられましたねぇ」
『あ、はは』
胡蝶の言葉に再び苦笑するA。
『少し…後悔してます。たった一回のやりとりで彼の事知ろうともしないで避けてたこと。言動も行動も、彼なりの責任感の現れなのかなって…』
胡蝶「そうですね。言葉を選べないことがありますが、根はいい子ですから」
『…無一郎さんの事理解してくれる人がもっと増えるといいですけど』
胡蝶「ふふ、時透さんは幸せ者ですね。Aさんみたいな友人を持てて」
『……本当に…友人になれれば良かったんですけど』
胡蝶「?」
二人の事情を知らない胡蝶は首を傾げた。
今の時透が望んでいるのは友人以上の関係である。Aは時透が諦める気がないのは以前の会話や最近の行動から解っていた。
『(他の隊士には相変わらずだけど、私のこと心配してくれるし…)』
表情は変わらないが、怪我の有無や体調を気遣う言葉を投げかけてくる。普通なら喜ぶところだが、それが恋愛感情からきているからAは複雑だった。
『(本当にどうしたら…)』
ガラッ
時透「胡蝶さん、いる?…!、Aここいたんだ」
胡蝶「こんにちは時透さん」
『無一郎さんこんにちは。しのぶさん、じゃあ私は失礼しますねっ』
パシッ
『!』
時透「何で出てくの?別に居てもいいでしょ」
出ていこうとしたAの手を時透が掴む。
『診察の邪魔になりますから。それに、部屋で不死川様を待たせてるので』
時透「…不死川さん?」
胡蝶「怪我の手当てで来て、偶々Aさんが廊下で会って治療を引き受けてくれたんです」
『そろそろ怒られそうなので失礼します』
時透の手をやんわりほどき、不満げな視線を感じながら部屋を出た。
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雪花菜 - 続編お祝いコメントありがとうございます😊三作目も楽しんで読んでもらえるように頑張りますね!! (11月3日 7時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
優衣(プロフ) - 続編決定、おめでとうございます🎉続きがすごく楽しみです✨これからも頑張ってください😊 (11月2日 22時) (レス) id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
月坂柚花(プロフ) - 続編おめでとうございます! 続き、楽しみにしていますね! (11月2日 20時) (レス) @page50 id: d344506545 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - まちゃむんさん» こっちでもコメントありがとうございます!😆本当に嬉しいです! (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - いつも更新を楽しみにして下さりありがとうございます❗次の更新ですが、"お知らせ"になりますので本編の続きは少し待って下さい😣すみませんがよろしくお願いします🙏 (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪花菜 | 作成日時:2023年8月8日 20時