34 彼女の過去 ページ35
灰となって消えていく鬼に女の子がすがりつく。
「お母さん！お母さぁぁん!!」
その声で時透の相手をしていた子供達も、鬼(母)が殺されたことを知る。
「そんなっ」「嘘だ！」
時透はその隙を付き、手刀で気絶させる。
隊士のほうは、
「う、あっ」「俺達なんてこと…」
鬼を倒したことで正気を取り戻した。体に刺さっていた矢も灰となる。
時透はAのほうに駆け寄る。
時透「四宮、平気？」
『はい…なんとか…ご心配をおかけしました』
「霞柱様、四宮、すみません！」
「俺達、お二人にとんでもないことをっ」
謝る隊士に時透が何か言おうとする前に、Aが慌てて言葉を発する。
『気にしないで下さい！皆さん生きてて良かったです。それより怪我の手当てしましょう！』
時透「そんなフラフラで手当てなんて出来ないでしょ。顔色もまだ悪いし」
時透の言う通り、血鬼術をモロに喰らったAの顔色は優れない。
隊士達も、自分達で手当てするから休んでいろとAに言う。Aは気絶させた女の子を隊士に預け、言われた通り壁にもたれる。時透も側に寄り添う。
時透「あの血鬼術、効いてなかったの？」
『…いいえ、私にはあの鬼は完全に母に見えてました。…"人だった時の"母に』
時透「！…それ」
『……私の両親は鬼にされました。弟は二人に喰われ亡くなったんです』
幼い頃、両親の帰りが遅く心配したAと弟は、二人を探しに出掛けた。暫く歩き漸く見つけたが、様子がおかしいとAは気付いた。だが、弟はAと繋いでいた手を離し両親に駆け寄った。そして…殺された。Aはその光景をただ見ることしか出来なかった。
『(今でも後悔してる…あの時手を離さなければ…怯えず助けに行けたら…けど、どんなに悔やんでも)死んだ人間は蘇りません。どんなに願っても…どんなに待ち続けても…』
そう語るAを時透は黙って見つめる。そして
ﾎﾟﾑｯ
『！…え？』
時透「…」
時透は黙ってAの頭を撫で始めた。Aは困惑していたが、時透の優しい手つきに段々と心地よく感じ始める。
先程の鬼が自分の母に成り済まし、Aは怒りに駆られた。二度も母を鬼にされた様に感じた。それでも母を斬るのはかなりの胆力だった。
精神的にもキツい状態だったAだが、今こうして時透により心が軽くなるように感じた。
『(不思議だな…まだ恐怖心は拭えないけど、この人のお陰で安心する…)』
時透はAの体調が戻るまでそうしていた。
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橘 - うわ〜！無一郎がついに、ついに告白を〜！ (1月7日 5時) (
レス) @page49 id: f80cf1a544 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - まちゃむんさん» ありがとうございます！お陰様で続編も殿堂入りしました✨ホントに皆さんに感謝です😭 (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃむん(プロフ) - すいません、こっちでしたね、殿堂入りおめでとうございました🥺続編もあと一票、イケるイケる♡ (11月1日 14時) (レス) id: 8b24830e41 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - 無一郎が告白した〜❗これから夢主ちゃんと無一郎がどうなるのかすごく気になります❗ (8月9日 23時) (レス) @page50 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - salomeさん» 初めまして！いつもなんてとても光栄です。今後の展開も頑張ります!! (8月7日 21時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪花菜 | 作成日時：2023年7月14日 19時
