12 新たな疑問 ページ13
時透side
胡蝶「あの子は後輩であって妹のようなものですから。
誰にでも優しく笑顔で接してくれる……大事な子です。
さて！私もそろそろ見廻りに行かなければ。
時透さん、疲れてるところありがとうございました。
気を付けて帰って下さいね」
時透「…失礼します」
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
月明かりで照らされた道を歩く。
さっきの会話で、ようやく腑に落ちた。
あの子は、鬼の術の対処を得意とするため必然的に援護を
する側になる。
だから、頚を斬る機会は少なく階級が上がらないのだと。
時透「(あれだけの実力があれば甲でも不思議じゃない)」
疑問は無事に解消されたけど
…さっきの話で違う疑問ができた。
"誰にでも優しく笑顔で接してくれる"
…少なくともさっきの任務ではそんな素振りは一切なかった。ずっと下の方を向いていて、声色からも震えてる感じが
見てとれた。
顔をちゃんと見れたのも、最後にお礼言われたときだけ…
その時の顔も決して笑顔と言えるものじゃなかった。
…けど、何でか不思議と引かれる瞳をしてた。
月明かりに照らされて緊張からか薄い水の膜が張られた目は
硝子玉みたいに綺麗だった。
時透「(戦闘の時の顔とは全然違ってたな…)」
あの時、鬼を見据える表情はとても凛々しくて、蝶屋敷で
会ったときとは別人みたいだった。
時透「…どんな風に笑うんだろう………？」
足が止まる。
僕今何て言った？
別にどうでもいいでしょ、あの子の笑った顔見れなくても
僕には関係ないし…
………何でこんなモヤモヤするんだろう…。
それに…あの子とは前にも会ったことあるんだよな…
１年前、胡蝶さんに
"時透さん、この前の救援要請で銀杏柄の羽織の女性隊士に鬼殺隊を辞めるよう言ったようですね……
ちゃんと隊士の実力もみず、階級や年数などの表面上のものだけで、その様なことを仰るのは
同じ柱として感心しませんよ"
……あの時の胡蝶さんは本気で怒ってた。
その時も、今も、彼女と会ったことや何て言ったのかは
思い出せない。
少なくとも僕は彼女に辞めるよう言ったってことだ。
今日の戦う姿を見てたら、絶対言わないだろう。
謝るべきなんだろうけど…
言った記憶がないのに謝るのは変な気がする。
時透「……また会ったら思い出せるかな………それに…」
あの羽織の銀杏を見ると、
何故か懐かしい気持ちになるんだよな。
昔、銀杏の葉っぱが舞う中で
誰かが隣にいてくれた気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 297人がお気に入り
「鬼滅の刃」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
橘 - うわ〜！無一郎がついに、ついに告白を〜！ (1月7日 5時) (
レス) @page49 id: f80cf1a544 (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - まちゃむんさん» ありがとうございます！お陰様で続編も殿堂入りしました✨ホントに皆さんに感謝です😭 (11月1日 22時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
まちゃむん(プロフ) - すいません、こっちでしたね、殿堂入りおめでとうございました🥺続編もあと一票、イケるイケる♡ (11月1日 14時) (レス) id: 8b24830e41 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - 無一郎が告白した〜❗これから夢主ちゃんと無一郎がどうなるのかすごく気になります❗ (8月9日 23時) (レス) @page50 id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
雪花菜 - salomeさん» 初めまして！いつもなんてとても光栄です。今後の展開も頑張ります!! (8月7日 21時) (レス) id: 2d2d667fd9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪花菜 | 作成日時：2023年7月14日 19時
