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夢主side
『すみません…車に乗せて貰っちゃって』
私は運転席に座るお姉さんに声を掛ける。
与「いいンだよ、アンタ相当衰弱してるし、歩いて帰るなンて事出来ないだろ?乱歩さんから事情は聞いてるし安心して乗りな」
『あっ…ありがとうございます!!』
この美人さん常識人だ!!!良かった!!!!(失礼)
私がほっとしていると乱歩さんが「そう言えば」と言った。
乱「君の名前を聞いてないんだけど」
『あっ、そういえばそうでしたね!
私は新井Aって言います!…まあこの名字は使いたくないんですが…』
与「そりゃそうだろうねェ…
…不謹慎だとは思うがアンタは親の所に戻りたいと思うかい?」
確か与謝野さんと呼ばれていた女性にそう訪ねられ、私は微笑んで答える。
『…いえ、微塵も。
元々酷かったんですよ、母も父も。
父はギャンブラーで、私に暴力を振るったり…
母はお酒をよく飲んで私に暴言を吐いたり…
それで案の定お金が無くなっちゃって。私が邪魔という事で捨てられたんです
その挙げ句にこんなに迷惑掛けちゃってすみません…』
乱「…」
ずっと横で私の話を聞いていた乱歩さんが私の肩をぽん、と叩く。
乱「…君は運がいいな、A!」
『え?』
乱歩さんがばしばし肩を叩く。痛い。
乱「なんてったってこの僕に拾われたんだからな!
探偵社には優しい人達が居るし食べ物もあるし君に暴力を振るう人だっていない!」
『!』
乱「だから心配せずとも大丈夫だ、君は僕の物なんだから辛そうにしているとつまらない!」
そう言われた瞬間、私の胸が詰まった。
『…いいんですか、私なんか拾って』
乱「ああ、僕が気に入ったからな
君は馬鹿だが面白い」
乱歩さんは目を伏せて微笑む。
『…こんなでも生きていていいんですか?』
«アンタなんて産まなきゃ良かった!!!»
«生きてるだけで邪魔なんだよ社会のクズ!!!»
私がかつて言われたことが記憶に蘇る。
私の問いに乱歩さんは神妙な顔でこう言った。
乱「…これは僕の意見だけどね、
君は生きていて欲しいなんて言われた事がなかった。
_____でも全員が君に死んで欲しいと思っている訳じゃない」
『…!』
乱「君は狭い世界に居たから生きてと言われた事がないだけで、いつかどこかで君を必要とされる日が来る。
…それが今日だ
____君の周りがなんと言おうと僕達武装探偵社は君を歓迎しよう!」
『…………ッ』
堪えきれなかった涙がぼろぼろと落ちた。
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冷たい人 - めちゃ面白かったです!更新待ってます! (2023年4月5日 9時) (レス) @page15 id: 26c600857a (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - あぁなんか凄い…読んでると勝手に台詞が声優さんの声で脳内再生される…めろ。さんの小説大好きです!応援してます! (2023年3月7日 23時) (レス) @page15 id: 31b7e69329 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - わあ特異点な異能力だあ (2023年3月6日 5時) (レス) @page15 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 宇菜さん» え!?すごい偶然ですね!?そんな事言っていただけて嬉しいです頑張ります……!! (2023年1月29日 9時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。(プロフ) - 水瀬琥雪さん» イケメンドSならんぽさんが見たかったんです……ありがとうございます!! (2023年1月29日 9時) (レス) id: 8e324f8e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろ。 | 作成日時:2023年1月21日 0時