名探偵に拾われた話【文スト】【江戸川乱歩】

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夢主side









あれから服を買うために大型ショッピングモールにやってきた私と与謝野さん。






私は辺りを見回し、それからきらきらと目を輝かせた。







『ショッピングモール……！初めて来ました！！！広いんですね！！！』







与「あっこら、はぐれるんじゃないよ」






すぐさま駆け出そうとする私の服の裾を与謝野さんが掴んだ。





与謝野さんはわくわくする私を見て呆れたように笑い、それからこう言った。







与「ふむ、でもそうだねェ、服だけ買って帰るのもだし……


………少し遊んで行こうか？」





与謝野さんは不敵ににやりと笑う。



『ホントですか！？！？』






私は思わず飛び跳ねた。





ーーーーーーーーー



まずは服屋。





与「うーんAにはどれが似合うかねェ…
…これなんてどうだい？」





そう言って与謝野さんが差し出したのは露出が多めのワンピースだった。私は即答で却下する。




与「じゃあこれ」





そう言って差し出されたのはバレエで着るんじゃないかってくらいフリフリでフリッフリなワンピースだった。






『うん、ふざけてますよね』





与「チッバレたか…」





舌打ちされたけど逆になんでバレないと思ったんだろう。







…とはいえ私が捨てられる前、服は買ってもらえなかったから常に同じ服ばかり着ていたので、
私よりファッションに詳しい与謝野さんに頼るしかないのも事実なわけで。






私はうーんうーんと悩む。




与「…………」



与謝野さんはそんな私を見てから何処かへ服を見に行った。



ーーーーーーーー




与「はいA、決まったよ」




それから5分後、与謝野さんがぽん、と私の肩を叩いた。





私はどうせまたふざけてるんだろうな、と思い振り返る。




『もう今度は何ですか、まさかまた露出が多い_______ふ、く』







私は与謝野さんの持っている服を見て目を見開いた。




そしてぽつりと呟いた。





『…かわいい』






与謝野さんは服に見惚れる私を見て満足げに微笑んだ。






与「……あ、これ。黒い短めのコートにネクタイ、ブラウスにショートパンツ。
黒と白だけで統一されてるけどまあこんだけありゃ新人でもやっていけるだろうさ、これで善いかい？」





『よ、善すぎますよ！！！！！？！？うわああああありがとうございます！！！！！！』







私は思わず与謝野さんに抱き着いた。







与謝野さんは「ハイハイ」と笑って私をひっぺがし、会計へ向かった。






与「(……妹ができたみたいだ)」






会計へ行く途中、与謝野は静かに微笑んだ。

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