7.気まずい放課後 ページ7
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「じゃねAちゃん」
「うん、バイバイ」
部活に行く空野を見送ってAは再び席に着き問題集を開いた。
Aは勉強が好きだった。
努力した分だけ身になるし、何より問題を解いている間は余計な事を考えなくてすむ。
モヤモヤした日の勉強はよりはかどった。
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ふとグラウンドから遠く聞こえてくる運動部の掛け声が小さくなってきている事に気づきAが顔をあげる。
時計を見ると、いつも勉強を切り上げる時間を少し過ぎた位置を秒針がしめしていた。
(もうそんな時間か)
ふぅ、と短く息を吐き問題集を閉じる。Aは教室内を見渡した。
窓から差し込む夕日の赤が教室内を飴色に染めている。それは暖かくて柔らかい、優しい色だった。
けれどAには自身の心の寂しさを浮き彫りにされるような
何故だが見ていると物悲しい気持ちになってふいに泣いてしまいそうになる
見とれてしまうのに好きになりきれない。そんな色だった。
「…帰ろ」
ぽつりと呟いてAが筆箱にペンをしまう。
すると、視界の端でドアが開き『うわっ！？』と相手の方が先に驚いた。
見ると、ドアに手をかけ目を丸くしこちらを見つめるユニフォーム姿の狩屋が立っていた。
「……Aさん…まだ学校に居たんだ」
狩屋が驚きと気まずさを混ぜたような微妙な表情をする。Aは途端に申し訳ない気持ちになった。
(そっか…あの時よろしくね、なんて行ったけど狩屋くん私のこと嫌いだもんね)
ごめんね気を使わせて、と心の中で謝るとAは張り付けた笑みを崩さないように口を開いた。
「うん。自主勉してたの。狩屋くんは部活中？」
「ううん、ついさっき終わったとこ」
『忘れ物思い出してさ』と言いながら狩屋は自身の席に向かうと机の中から今日配られた宿題のプリントを取り出した。
ちなみに狩屋の席は真ん中の列の一番後ろ。Aの席は窓側の後ろから三番目だ。なので今、Aは振り返る形になっている。
狩屋がパッとAの方を向いて『着替えてからだと忘れちゃいそうでさ』と困ったように笑った。
「なんか不安で先に取りに来たんだよねー」
「そうだったんだ」
そこで会話が切れた。
なんとなく彼はこの流れで帰るだろうなと思い、一緒に帰るのは気まずいだろうなとAが振り返っていた体勢から机に向き直って勉強を再開するフリをした。…が、狩屋は一向に教室を出ていこうとしなかった。
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星ッ梅(プロフ) - 狩屋、すき、、、頑張って下さい！！ (2022年7月5日 21時) (
レス) @page8 id: 9b9f7196c2 (このIDを非表示/違反報告)
萩 果弥(プロフ) - ドライヤーさん» 返信遅くなってしまってすみません！コメントありがとうございます！す、好きだなんてそんな、ひぇ…すごく、嬉しいですっ…！ありがとうございます！ (2022年6月22日 23時) (レス) id: a7f18fe169 (このIDを非表示/違反報告)
ドライヤー(プロフ) - この夢小説超好きです…！応援してます！ (2022年6月13日 22時) (レス) id: b605031498 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：萩 果弥 | 作成日時：2022年5月23日 2時
