モノクロ 【 Ryuto K. 】

ネーミングセンス ページ5

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玲於｢ …あったっけこんなの。 ｣


｢ 新しく出来たんだって。…名前は ｣


玲於「 は、待って、ネーミングセンス。」




古臭い、ドラマでよく見るおじさんが飲んだくれて語り散らかすあの外に出てる居酒屋みたいな、
そんな作りの、たこ焼き屋。


名前は、




メン「 あ、らっしゃい。初めてのお客さん！」




〈 ウメンディーたこ焼き屋 〉







玲於「 ごめん帰る。」


メン「 えなんでなんで。なんで！」


「 ウメンディー、って。」


玲於「 苦手、こいつ。」





店の人を見ながら玲於くんが言った






メン「 出会ってまだ3秒だよね？」




ちょっと怖そうな、お兄さん。

何このお店







メン「 はい。美味しく召し上がれ ！」


玲於｢ は、頼んでねえ。 ｣


メン「 一個で500円。」


玲於「 ぼったくり、訴えんぞ。」


メン「 食べたそうな顔してたよ？」


玲於「 してねえ。」





だーだー言い合って、


折れた玲於くんが500円を雑に出した





メン「 俺の名前はメンディーね。」


玲於「 聞いてねえよ、興味ない 」


メン「 こんな外見してるけど、英語喋れないし、ちゃんと日本人だから仲良くしてね。」


玲於「 仲良くする気もない 」




ホカホカ暖かそうなたこ焼きを、ふーふーして、頬張ったら、…うん。あれ。







「 待って玲於くん、泣きそう。」


メン「 うわ、そんな美味しい？ 」


「 不味い。」


メン「 …え。」






不味すぎて、吐くところだった。






玲於「 ぼったくった上に不味いとか、マジでふざけんな金返せ外人。」


メン「 外人じゃねえって、バリバリ日本語喋ってるよね！？」


玲於「 何入れたらこんな不味くなんの。」


メン「 … そんなに？」





なんか嫌いになれない。この人。









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