甘い電気【囚人 ルカ・バルサー】 ページ29
Aside
私には気になっている人がいる。
「囚人」のルカ・バルサー。
好意を抱いている訳ではなく、細すぎて心配なのだ。
彼の腰の細さに心配して最近見張っているとご飯というまともなものを食べていなかった。
ましてや彼は睡眠時間が短いのだ。機械いじりに関しては別に悪いことではないのだが、彼は没頭し過ぎて平気で5徹夜したりする。
お風呂にも入らず機械油の匂いで臭い。
私にとっては信じられなかった。何かに没頭するのはいいのだが体を壊すような真似はしないで欲しい。
試合中よく走れるな、なんて考えてしまう。
私は気になりすぎてついに彼に声をかけてしまった。
「ねぇ「囚人」さん、ご飯くらいはもっとまともなものを食べない？」
「おや、君は管理栄養士のA君、なに、お腹が空いていることに気づけなくてね、作業に時間を取りたいから簡単なものに済ませてしまうんだ」
「…しっかりご飯を食べることで集中力が向上しますよ、管理栄養士として貴方の食生活を見ていたんですが酷いものです、見過ごせなくなってしまったので貴方のご飯は私が用意します」
「私は…」
「大丈夫です、貴方の部屋に私が運びますので」
有無を言わせずにはっきりそう言った。
ニッコリと笑顔も忘れずに。
「…じゃあお願いしよう」
「はい、」
▽
それからは彼のご飯を毎日3食かかさず用意した。
彼はお腹が空いていることに気づかないと言っていたから男性にしては少なめにした。
確かに試合以外ではほとんど機械いじりをしているし彼には適正な量かもしれない。
アレルギーなどもないかしっかり確認した。
好き嫌いもあまり無い。彼は食事を楽しめていないのだろうか。食べることを「作業」で済ませている。
どうか食をもっと楽しんで欲しい。
傭兵のサベダーさんや、オフェンスのエリスさんを見て欲しい。こっちが嬉しくなるほど美味しそうな顔をして食べてくれるのだ。
彼にそう伝えれば「美味しいとは思うんだが」と一言言われた。
今日も黙々と作業のように食べるんだろうなと考えながら食事を彼の部屋に運ぶ。
食堂の方はエミリー達に任せ、バルサーさんの部屋をノックする。
「バルサーさん、Aです」
「…」
返事が返って来ない。
よくあることなのでドアを開けた。
部屋に入り彼が作業している机に食事を置いても気づいていないようだ。
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みっちゃんむい(プロフ) - ?さん» 教えて下さりありがとうございます！よくこれ間違えてしまいしかも気づかないドアホなのでとても助かりました！丁寧に読んで下さってありがとうございます！更新頑張りますね！ (2021年5月16日 8時) (
レス) id: 0998fc2b1a (このIDを非表示/違反報告)
?(プロフ) - すみません気になってしまって、一様ではなく一応です。お話楽しく読ませていただいてます。更新頑張ってください (2021年5月12日 10時) (レス) id: 6889652504 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃんむい(プロフ) - りりなさん» ほんとですか！ありがとうございます！どっちエンドになるかとか考えてなかったんですけどそういうの書いてみるのもいいですね！参考にさせてもらいます！ (2021年5月2日 11時) (レス) id: 0998fc2b1a (このIDを非表示/違反報告)
りりな - 関係性2のお話好きすぎる、、。エマちゃんエンドが見たいです、、、 (2021年4月18日 16時) (レス) id: 88b3cccd14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みっちゃんむい | 作成日時：2021年4月5日 12時
