日高くんとの日常〔日高光啓 短編集〕

． ページ6

『ごめん』
『何かに呼ばれてる気がする…なんちゃって』

切なそうに笑う君の頬に伝う無数の涙
聞かなくても分かる涙の理由
君は今にも消えてしまいそうで
細い腕を自分の方に引いた
重なった2人の影が砂浜に伸びる
君に確かに触れてる
その事実がどうしようもなく悲しく、嬉しくて
目に溜まる涙
許されるのなら探しに行く
許されなくたって攫いに行く
天使でも悪魔でも良い
神頼みでもなんでもする
全てを失ったって



君が欲しい

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