エースは俺だろ。

２１話＿＿色。 ページ22

side山田

俺の思うJUMPの役割。

思い出をかき集めながら、

それぞれのメンバーとの、

エピソードの中で。


あーあ、今思い出すんじゃなかった

涙が溢れそうで空を見上げた。


山「みんなそれぞれの役割があるよな。｣

有「うん。JUMPは9人9色だから。｣

山「そうだな。……薮くんの黄緑は、

優しさの黄緑。いっつも、俺はその

優しさにすくわれてる。頼りになる

んだよなー、ここぞというときに。

雄也の紫は、大人の紫。冷静で

かっこよくて、スマートでさ。

憧れてんだ、俺。

ひかの黄色は笑顔の黄色。ひかは

ずっと笑顔だし。俺を笑顔にしてく

れる。

裕翔の水色は、青空見たいな、

水色。とんでもなくでかいんだ。

身長も、器も。

圭人の緑は自然の緑。かっこつけた

り、無理に元気ずけようとしたりし

ない。自然な、優しさで助けよう

としてくれる。

知念のピンクは可愛さのピンク。

天使みたいに、笑ってくれる。

一緒にいて、すっごく幸せなんだ。｣


そこまで言って泣きそうになって

二人を見た。

二人とも見事に泣いていておかしか

った。

有「俺らは？お前にとってどんな
存在なんだよ。｣

山「ん？大切だよ。とっても。

そうだな、大ちゃんのオレンジは

無邪気なオレンジ。ひとなつっこく

て、面白くって俺の気持ち関係無し

なテンションで。でも俺は大ちゃん

のそういうところが好き。

みんなが気を使うのに、大ちゃんだ

けは、そうじゃなくて。

いつも通りにしてくれる。

一緒にいてすげー楽なんだよ。｣

有「俺はお前の役に立ててる？｣

泣きながそう聞く大ちゃんがいとお

しくて、笑顔になった。、

山「当たり前だろ？｣

伊「俺は？｣

山「伊野ちゃんの、青色は俺の大好

きな海の色。深くて、濃くて。

眩しくて、綺麗で。俺にいつも

ヒントをくれる。伊野ちゃんは

気づいてないかもだけどさ。｣

伊「俺だって山田に助けられてるよ

っ。頑固で、びびりで、強がりで。

でも、責任感があって、一生懸命で

優しくて。

俺だって、俺だって山田の良いとこ

ろくらい、死ぬほど言えるよっ！｣


みんな泣いていた。いい大人たちが

そろそろ日が上る砂浜で泣きながら

叫んでいた。そうでもしていないと

壊れそうで何かが溢れて止まらなく

なりそうで。

そのあとしばらく、何も話さず、

三人で泣いていた。

伊「あっ、日が上る。｣

伊野ちゃんがそういうまで、時間

の流れを忘れていた。

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