191、Ａside ページ47
久々の休日。
たまには映画でも観ようと繁華街を一人で歩いていると‥‥、
人の輪の中で座り込んでいる女性を発見。
周りにいた人達は誰も声を掛けようとはせず
静かに通り過ぎてゆくばかりだった‥‥。
堪らず俺は、その女性に声を掛け
手を差し伸べた‥‥。
『あ、はい。だ、大丈夫、です‥‥』
マジで心臓が止まるかと思った。
だってその女性は‥‥、
前に一度だけ会った
翔ちゃんの元カノさんだったんだから‥‥。
・
見たところ翔ちゃんの元カノさんは‥‥、
お腹に命を宿している‥‥。
翔ちゃんからは何も聞いてないけど‥‥、
すっごく気になった。
お腹の子の、父親が‥‥‥。
だから俺は
断る元カノさんを無理矢理誘い
近くのカフェへと身を落ち着かせた。
「‥‥‥‥、足の方はどうですか？大丈夫ですか？」
「は、はい。もう、大丈夫です‥‥」
さっきからずっと、俯いてばかりいる翔ちゃんの元カノさん‥‥。
「あの、お名前聞いても良いですか？」
確か前に聞いた時は‥‥、川野Aさん
だった気がする。
「川野、A、です‥‥」
ほっ‥‥。
名前は変わってなかった。
いや、ちょっと待てよ‥‥、
ここは普通、名字が変わっているのが正解なんじゃ‥‥、
「あ、あの‥‥、ご結婚は‥‥？」
そう聞くと元カノさんは
ガバッと顔を上げて驚きの表情を見せた。
でもそれは、ほんの一瞬で‥‥、
「し、してません‥‥」と言って、
またすぐに俯いた‥‥。
「じゃあ‥‥、ご予定は？」
「ありません‥‥」
「そう、ですか‥‥‥」
って、事はつまり‥‥、
未婚のシングルマザー。
って、事になるんだ‥‥。
翔ちゃんはこの事‥‥、
知ってるのかな？
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作者名：翔ミー
| 作成日時：2016年12月23日 16時
