Rolling Days ～煩悩～３【S.S】 (ページ6)

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102、Ｓside ページ6

昂る感情は

時として人を大胆な者へと変える‥‥。

Aに連れて来られたのは

それこそ本当に

人が立ち寄らないような場所だった。

都会とは違い

すぐそばにホテルなどが存在しないこの町では

このような場所で逢い引きをするのだろう‥‥。

「‥‥‥もう、待ったはなしだからな」

耳元でそう囁き

欲を吐き出す‥‥。

目で見て

耳で声を聞く‥‥、

そんな当たり前の事が

更なる高鳴りを誘う

今の俺達に

場所など関係ない

今はただ

一つに繋がるだけ‥‥。

久しぶりに感じたAは

以前にも増して

甘い蜜を身に纏っていた。

「お前のこと、もう離さないから‥‥」

何があろうと‥‥、決して‥‥。

東京に戻る事を約束した俺達は

直ぐ様お爺さん夫婦にその事を伝えた。

「そうか‥‥。良かったな、A」

「良かったね、A‥‥。一緒に暮らせて、本当に幸せだったよ‥‥」

お爺さん夫婦は

少し寂しそうだけど‥‥、

「またすぐ遊びに来ますから」

この別れに涙はいらない‥‥。

「お世話になりました！」

暫しの別れを告げ、この町を旅立った‥‥。