Rolling Days ～煩悩～２【S.S】 (ページ49)

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96、愛してるページ49

今日もお爺ちゃんと畑仕事。

体力的にはけっこうハードだけど

色々考えられるから、今の私には丁度良いんだよね。

智さんへの返事、ホントにどうしようかなぁ。

このままずっと

ここで暮らすと考えたら‥‥、

やっぱりねぇ‥‥、

あ、でもなぁ‥‥、

いくら考えても

その答えは見つからず

ただ時間だけが過ぎてゆく‥‥。

「おーい、Aー。そろそろ飯にするぞー」

「はーい、これ終わったら行きまーす」

区切りの良いところまで大根を抜こうとしていると‥‥、

『おーーい！Aちゃーーん！』

またまた私の名を呼ぶ声が聞こえた。

この声は智さんかな？

振り向いてその姿を確認すると

やっぱり智さんで、それともう一人‥‥、

え‥‥‥、何で‥‥‥。

何であの人がここに‥‥‥、

驚きのあまり、その場に佇んでいると‥‥、

あの人が動きだし

こちらに向かって歩いてきた。

ど、どうしよ‥‥、

思うように体が動かない‥‥。

思考回路が停止しているうちに

あの人は目の前にたどり着いてしまった。

「A‥‥‥、会いたかった‥‥」

その言葉共に、私の体は

彼の腕の中へ‥‥‥、

「俺は今でもお前が好きだ。だから‥‥、東京に戻って、今度こそ俺と結婚してほしい」

いつの日か‥‥、

彼に言われたその一言は

報われないものだった‥‥。

「父さんにも結婚の許可をもらった。だから、だからもう‥‥、何も心配する事はないから‥‥、頼む。俺の元へ帰ってきてくれ‥‥」

零れ落ちる涙の雫‥‥。

彼はその涙を拭いながら、こう言ってくれた。

「今も、これからも‥‥、ずっとずっと‥‥、Aだけを愛してる‥‥」

その言葉に私は‥‥‥、

「私、も‥‥、貴方だけを‥‥、愛してる」

ずっと秘めていた

その思いを言葉にして

彼の背中に腕を回した‥‥。