Rolling Days ～煩悩～２【S.S】 (ページ43)

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90、父親という存在ページ43

智さんの気持ちはものすごく嬉しいけど

私には忘れられない人がいる

だから‥‥、

「少し、考えさせて下さい‥‥」

子供達の事を考えると

父親という存在は

居ないよりかは居た方が良いに決まってる

智さん自身とってもいい人だから

すぐには答えられないよ‥‥。

「わ、分かった‥‥。じゃあ、ゆっくり考えてみて！」

「はい‥‥。ありがとうございます」

沈み行く太陽が

私達を暗闇の中へと誘う‥‥。

「危ないから足元気を付けてね」

「あ、はい‥‥。あっ！！‥‥」

「危ないっ！！」

言われた側からすぐに躓く私

ホントどんくさくて嫌になっちゃう‥‥。

ていうか、近っ！

「す、すみません！」

躓いた拍子に、智さんの腕の中へ‥‥。

「いや‥‥、大丈夫」

慌てて離れたけど

胸の高鳴りはすぐには治まりそうもなかった。

「また転んだりしたら大変だから掴まって」

「は、はい‥‥‥」

戸惑いはあるものの

差し出された手を素直に握った。

掌を通じて

私のドキドキが智さんに伝わらなきゃ良いけど

なんて思いながら

来た道を戻って行くのだった。