Rolling Days ～煩悩～２【S.S】 (ページ13)

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61、遊園地ページ13

こんなに遠出をするのはいつ振りだろうか。

シュウが生まれてからは

一度も遊園地なんてものには行っていない。

流れる景色を見ていると

自然と心が弾んでくる

「ママー！大きなお山があるよー！」

「そうだねー！」

山ひとつでこんなにも興奮しているシュウが可愛くて仕方がない。

サトシもゲームばっかりしてるけど

シュウの声に反応して、時々視線を上げては

流れる景色を楽しんでいる。

翔はというと‥‥、

前を見ながら、私達の会話に耳を傾け

時々、私に笑いかけてくれている。

私の思い描いていた幸せは

今ここにある。

あの人とは見出だせなかった幸せを

貴方はいとも容易く見出だしてくれた。

貴方を好きになって良かった。

貴方に出会えて

本当に良かった‥‥。

そんな思いを込めて、彼の左手を握り返した。

・

およそ一時間後‥‥‥、

待望の遊園地に到着。

「ママー！早く早くー！」

シュウに急かされながら入場ゲートを通過し

「ママー！ボクあれ乗りたーい！」

「うん！行こう！」

目の前に広がるアトラクションに目を輝かせる

私とシュウ。

そんな私達を、彼とサトシはきっと

笑って見ていたに違いない。