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懐かしい夢を見た。
私は淳太くんとお洒落なレストランで食事をしていて、
これは確か、去年のクリスマス。
一通り食事を済ませた後は、
ホテルのスイートルームで一緒にシャンパンを飲んだ。
夜景の綺麗なその部屋で、
淳太くんはおもむろに小さな箱を取り出す。
「 これ、クリスマスプレゼント。 」
『 ほんとに?開けていい? 』
「 おん、ええよ。 」
綺麗に包装された箱を開けると、
入っていたのは華奢なモチーフのネックレス。
「 会社でも付けれるように、シンプルなのにしてん。 」
彼は照れくさそうに歯を見せて笑った。
『 ほんとに嬉しい。 』
心からの笑顔を見せれば、
彼ははにかみながら私の首に手を回して、
ネックレスを付けてくれる。
「 来年のクリスマスも、Aと一緒がええなぁ。 」
『 え? 』
「 来年だけやなくて。これからもずっとAと一緒がええ。 」
どこまでも甘いセリフに、恥ずかしすぎて思わずうつむきそうになる。
でも、彼は真っ直ぐ目を見て、そんな風に言ってくれるから。
私も淳太くんから目が逸らせない。
『 … 私もだよ。 』
喉の奥から声を絞り出す。
「 愛してんで、A。 」
そういって、淳太くんは甘すぎるくらいのキスをした。
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「 なんて言うとでも思った? 」
『 … 淳太くん? 』
さっきまでの彼と同一人物とは思えないような冷めきった声。
その瞳には愛なんて微塵も感じられない。
『 全部、嘘だったの…? 』
「 せやで。年下なんか本気になるわけないやん。 」
『 じゃあ、なんで私と付き合ってたの? 』
「 遊びに決まってるやろ。単なる暇つぶし。」
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「 愛なんて、最初からどこにもあらへんかったよ。 」
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そう言い捨てたのを最後、
彼の背中はだんだんと遠ざかっていった。
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亜音(プロフ) - いつもお話読ませていただいてます。お人形のパスワード教えてください!お願いします。 (2017年10月1日 8時) (レス) id: d816671f76 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - いつも見させて頂いてます!ころんさんのお話大好きです!!お人形のパスワード教えてくださいm(_ _)m (2017年9月30日 22時) (レス) id: 6d41dc7f0e (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いています。お人形のパスワード教えて頂きたいです(´・・`)よろしくお願いします。 (2017年9月30日 14時) (レス) id: b78db68ed3 (このIDを非表示/違反報告)
もるもるさん(プロフ) - いつも素晴らしいお話でころんさんのファンです!よかったらお人形のパスワードを教えていただきたいです>_< (2017年9月30日 7時) (レス) id: 0890742c58 (このIDを非表示/違反報告)
はなりん(プロフ) - お人形のパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: ca17a500ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ころん | 作成日時:2017年7月29日 17時