検索窓
今日:7 hit、昨日:14 hit、合計:360,235 hit

25 ページ25








どちらかが動けばすぐに唇がくっついてしまいそうな距離。









彼が動く気配を感じて、瞬間的に目を閉じた。



















それなのに。




いつまでたっても、唇にあの感触はこない。









おそるおそる目を開けてみたら、









「 キス、期待してたん? 」









そういってニヤリと笑う濱田さんがいた。









『 してない! 』


「 だって、A泣きやんでもうたんだもん。 」









自分の頬を指で触ってみると、

確かにもう涙は乾ききっていた。









当たり前でしょ。









濱田さんにあんなにドキドキさせられたら、

涙なんて簡単に止まってしまう。









彼をぼんやりと眺めてたら、絡まった視線をふいっとそらされる。









濱田さんはふぅーと息を吐いて、

グラスのウイスキーを飲み干した。









「 俺、やっぱり今日は家帰るわ。Aは1人で泊まっていき。 」









そういってソファから立ち上がる。









『 なんで、濱田さん行っちゃうの? 』









思わず彼のシャツの裾を引っ張っていた。









なにやってるんだ、自分。









これじゃ、まるで、

濱田さんを引き止めてるみたい。





やってしまったと急に恥ずかしくなる。









「 なに?寂しいん? 」


『 …そうじゃないけど。ほら、もともと濱田さんが予約していた部屋なのに。 』


「 まあ、そうやけど… 」


『 そういえば、なんでスイートルームなんて予約してたの? 』









んー、なんてちょっと考え込んでから、彼は内緒、と微笑んだ。









なんだろう。








濱田さんに隠し事をされると、

胸の中がもやもやする。








26→←24



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (509 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
986人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

亜音(プロフ) - いつもお話読ませていただいてます。お人形のパスワード教えてください!お願いします。 (2017年10月1日 8時) (レス) id: d816671f76 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - いつも見させて頂いてます!ころんさんのお話大好きです!!お人形のパスワード教えてくださいm(_ _)m (2017年9月30日 22時) (レス) id: 6d41dc7f0e (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いています。お人形のパスワード教えて頂きたいです(´・・`)よろしくお願いします。 (2017年9月30日 14時) (レス) id: b78db68ed3 (このIDを非表示/違反報告)
もるもるさん(プロフ) - いつも素晴らしいお話でころんさんのファンです!よかったらお人形のパスワードを教えていただきたいです>_< (2017年9月30日 7時) (レス) id: 0890742c58 (このIDを非表示/違反報告)
はなりん(プロフ) - お人形のパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: ca17a500ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ころん | 作成日時:2017年7月29日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。