検索窓
今日:29 hit、昨日:22 hit、合計:360,279 hit

20 ページ20








「 いつもそうやって我慢してるん? 」


『 …ぇ? 』









濱田さんの突然の呟きは、

あまりよくは聞き取れなくて。









そのまま何事もなかったかのように、

彼の腕の中から解放される。









ソファから身体を起こして、

彼は髪の毛をわしゃわしゃとかいた。









「 あんまり1人で溜め込みすぎんほうがええと思うで。 」


『 … うん。 』


「 話したほうが楽になることもあるやろうし。 」


『 そうだよね。 』


「 まあ、ムリにとは言わんけどな。 」









別に自分では我慢してるつもりなんて無かったけど。






確かに失恋のことを誰にも話してなかったなぁ、なんて。









もともと人に頼ることはあまり得意じゃないし。









人に涙を見せることも好きじゃない。









ああ、でも。









濱田さんには初対面で涙を見せてしまったんだった。









そんなことを考えてたら、


飲む?、と濱田さんは奥からグラスを2つ持ってきてくれた。









『 甘くて強いお酒がいい。 』


「 お酒にするん?普通にお茶もあんで。 」


『 ううん。今日は酔いたい気分なの。 』









そう言うと、濱田さんはへらっと目尻にシワを寄せて笑った。









「 ほんなら、ボトル持ってくるわ。 」


『 ありがとう。 』









私、濱田さんの今の笑った顔、

嫌いじゃないなぁ。









冷蔵庫を開ける彼の後ろ姿を見つめて、

柄にもなくそんなことを思った。








21→←19



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (509 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
985人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

亜音(プロフ) - いつもお話読ませていただいてます。お人形のパスワード教えてください!お願いします。 (2017年10月1日 8時) (レス) id: d816671f76 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - いつも見させて頂いてます!ころんさんのお話大好きです!!お人形のパスワード教えてくださいm(_ _)m (2017年9月30日 22時) (レス) id: 6d41dc7f0e (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いています。お人形のパスワード教えて頂きたいです(´・・`)よろしくお願いします。 (2017年9月30日 14時) (レス) id: b78db68ed3 (このIDを非表示/違反報告)
もるもるさん(プロフ) - いつも素晴らしいお話でころんさんのファンです!よかったらお人形のパスワードを教えていただきたいです>_< (2017年9月30日 7時) (レス) id: 0890742c58 (このIDを非表示/違反報告)
はなりん(プロフ) - お人形のパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: ca17a500ec (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ころん | 作成日時:2017年7月29日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。