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『 んんっ … 』
気が付くと、お店の中には私以外お客さんは誰もいなかった。
酔い潰れた私は、しばらくの間、
カウンターに突っ伏して寝てしまっていたらしい。
ぱさっ
重たい体を起こすと、
私の肩から滑り落ちたジャケット。
男物のブランドのそれは、煙草と香水の匂いが混ざって、大人の香りがした。
誰がかけてくれたんだろう。
そんなことを考えていたら、
突然 目の前に現れた人影。
どうやら店の奥から帰り支度をしたマスターが出てきたらしい。
「 あ、起きました？ 」
随分と落ち着いた声色に、
柔らかな関西なまり。
呑んでいたときにマスターとは一度も言葉を交わさなかったから、
彼の声は初めて聞いた。
『 もしかして閉店時間過ぎてます？ 』
そう聞くと、マスターは少しきょとんとした顔をしてから、
「 まあ、相当過ぎてますね。 」なんて笑みを浮かべた。
アホな質問をしてしまった。
マスターが帰り支度を済ましているんだから、
お店の営業なんか終了してるに決まってる。
あ、そういえば、
まだお会計してないんだった。
『 あの、お支払い … 』
慌ててバッグから財布を出すと、
ええです、いりません、と首を横に振られる。
『 でも、あんなに呑んだのに… 』
「 お客さん傷心中でしょ？ 」
「 心を痛めている人からお金を貰うほど、こっちも鬼やないんで。 」
彼に振られたせいなのか。
お酒を呑みすぎたせいなのか。
とにかく心がぐらぐらと不安定で。
ああ、だめだ。
マスターにかけられた優しい言葉が引き金となって、
何かが壊れたように涙が溢れてしまった。
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亜音(プロフ) - いつもお話読ませていただいてます。お人形のパスワード教えてください！お願いします。 (2017年10月1日 8時) (
レス) id: d816671f76 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - いつも見させて頂いてます！ころんさんのお話大好きです!!お人形のパスワード教えてくださいm(_ _)m (2017年9月30日 22時) (レス) id: 6d41dc7f0e (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - いつも楽しく拝見させて頂いています。お人形のパスワード教えて頂きたいです(´･･`)よろしくお願いします。 (2017年9月30日 14時) (レス) id: b78db68ed3 (このIDを非表示/違反報告)
もるもるさん(プロフ) - いつも素晴らしいお話でころんさんのファンです！よかったらお人形のパスワードを教えていただきたいです>_< (2017年9月30日 7時) (レス) id: 0890742c58 (このIDを非表示/違反報告)
はなりん(プロフ) - お人形のパスワード教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2017年9月29日 22時) (レス) id: ca17a500ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ころん
| 作成日時：2017年7月29日 17時
