【ONE PIECE】歪んで狂った傀儡師は。 (ページ12)

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１１体目:死体ページ12

男が死んだことによって、海賊達はざわめき始めた。男が死んで数秒後、また別の男がくるりと回り出した。「死にたくねぇ」と泣き叫びながら。

男どもを見下ろすAは顔色変えずに左腕も前でした。ナイフを持って周囲を警戒していたとこが突然狂ったかのように仲間を斬りつけた。

深紅の血が舞う。あんなに下品な奴らでも赤い血を流すのか。
プツンッと糸が切れた様に二人は倒れた。勿論、息はしていない。

「ばいばい」

すとんと、Aは甲板に降り立った。Aの姿を確認した海賊達は警戒をしたが、見た目が幼く美しかった為、少しばかりにを緩めた奴が数名いた。

ふっとAは嘲笑った。瞬間、血が舞った。

「死んで詫びろ。全員だ」

見た目からは想像できないほど、冷たい声だった。男達は斬りかかるが力及ばず、命を落とした。二名程、Aに傷を負わせることができたやつもいたが、もう既に息をしているのはA、ただ一人だけだった。

「……」

静かになった船の上で血を大量に浴びたAは空を見上げた。月が出ていた。その月は憎らしいほど美しかった。Aは静かに誰かが使っていた剣を拾い上げて、適当に死体に斬りつけた。

人の肉が切れた。死んでいるとはいえ、血が流れて来た。甲板が血の海と化していた。Aは船から降りた。

天を仰いで言った。

「ごめん、ロシー。人、殺しちゃった」

右眼から涙が溢れ、頬を濡らした。バキッと枝の折れる方へ振り向くと、憎いあの子がいた。