尽くされ、愛され【Selly】 (ページ10)

今日:18 hit、昨日:37 hit、合計:55,060 hit

9 ページ10

A視点

私も自己紹介しなきゃ。
緊張しすぎてやっばい声出ない。

『……あっ…えっと、A…です……』

するとまたSellyさんが可愛らしい口角を上げた。

「Acommunication にがて？」

『は、はぅ…』

マジもんのネイティブ英語だ、すご。
てか敵と自己紹介しあってどうするんだよ。

『……あ、あの…私ってこれかどうすれば良いんですか…？』

よく頑張ったぞ私。声を出せて偉い。
心の中でそれだけ言い聞かせた。

「それなんだけどね。Aちゃん…CRに入る気は無い？」

『……えっと、…あ…』

　

「勿論、タダでとは言わないよ。ウチの奴らは絶対に手を出させないし、必ずAちゃんの願いを一つ叶える…これでどうかな。」

　

「CR楽しいよ」

「俺もAさんと仲良くなりたい！」

心のどこかで分かっていた。多分勧誘されるか、情報を吐かせられるかのどちらかかと。でも私はやっぱりお嬢が心残りで。

『…………その、大切な人がいる…んです。…その人に何もしないなら…』

「ヨッシャー！！！！！！！！！」

「紅一点来たァア！！！！！！」

「CRに遂に女子が……！」

“入っても良い”その言葉が出る前に周りの人達は喜びの声を上げた。

「おまえら止めろよ…A困ってるだろ。」

一方、Sellyオッパは冷静だった。
まるで、入ってくるのが当たり前の様に。

「すまん、テンション上がっちゃって…」

　
「Aさんごめんねぇ…」

オロオロしてる私を見兼ねてSellyオッパが「気にするな。」と頭を撫でてくれた。
連れて来た時は手荒だったけど、本当は優しいのかも。