チューリップ【七五三掛】 (ページ50)

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「…もしもし？珍しいね電話なんて」

『なんか、寝られなくて。』

「リュウヤさんに掛ければ良かったんじゃない」

『その話しないって約束でしたよね』

「そうだね。ごめんごめん」

『…またタバコ吸ってるし、』

「色々溜まってんの、俺も」

『お疲れ様です』

「んで？本題は？」

『…付き合いたい好きと、付き合いたくないただの好きってあると思いますか？』

「…なになぞなぞ？」

『違います。まんまです』

「俺難しいことわかんないよ」

『直感でいいんで、例えば…

私と付き合いたいと思いますか？』

言ってしまった。

たぶん、一番聞いちゃいけないこと。

「…ヒナと付き合ったら、ね」

『…ごめんなさいやっぱそれナシで』

「その立場にならねーとわかんないよ、それって。」

海斗さんの、息を吐く音が画面越しに聞こえてくる。

『、ですよね』

「だから俺に恋愛相談なんかすんなって言ったのに笑」

『だって、海斗さんそういうのたくさん経験してそうだから』

「なんで、てかそれヒナが子供なだけだと思うけど」

『またそうやって、！』

まだ心臓がバクバクしてる。

嫌なバクバク。

あそこで「そういう風に思うよ」みたいな返事が返ってきてたら、なんて返事すればいいんだろう。

考えてもしょうがないか。

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